「沈まぬ太陽」

 山崎豊子原作「沈まぬ太陽」を映画館で観ました。日航機墜落事故や政治的内紛を題材とした「フィクション」ですが、週刊新潮で連載された時はJAL社内でずいぶん話題になりました。渡辺兼さん演じる恩地元(おんちはじめ)のモデルは故・小倉寛太郎さん。生前の小倉さんとは「サバンナクラブ」で交流がありました。ナイロビに出張に行く前に、千葉県市川市のご自宅まで相談に伺ったことを思い出します。既に退職しておられましたので、現役時代とは違って温厚で柔和な印象でした。労働組合の話には触れませんでした(笑)。東アフリカの野生動物のことやサファリのことを楽しく教えていただきました。

 羽田空港バブ化や日本航空の再建問題など、国土交通大臣がなにかと強調している航空行政ですが、決して新しい話題ではありません。島国日本の国益にとって大事なテーマです。後日見解を書きたいと思います。

 ちなみに、御巣鷹山に墜落したJAL123便の副操縦士は故・佐々木祐さん。熊本市出身(済々黌高校卒)です。墜落した昭和60年8月12日は、私の16歳の誕生日でした・・・。

【写真】校区の体育祭に出場。町内の皆さんと競技での様子。

   

ねじれ

 

中央は民主党連立政権になりましたが、都道府県では自民党会派または保守系無所属会派が多数を占める議会が多い。熊本県もそうですが、中央と地方との「ねじれ現象」です。ここに暴走する民主党連立政権が打ち出す政策や予算に歯止めをかけるチャンスがあるということを申し上げます。

高校授業料無償化」を例にとってシュミレーションします。政府は「一律給付。但し扶養者控除廃止・所得控除廃止」という法案(A案)を提出します。高校生の子どもがいる世帯を救済する事は悪いことではないが、厳しい財政事情を考慮して、自民党は「所得制限を設けた上で、授業料の一部補助」という対案(B案)を提出します。扶養者控除・所得控除は現状維持です。結果は、「マニフェストに書いてあるから」という理由で修正無しでA案が成立となります。

熊本県執行部は、法律を受けて条例案と予算案を作成して熊本県議会に提案します。ここで、自民党県議団は国会で否決されたB案を、再び条例案及び予算案として議員提案し執行部案に対抗します。所得制限のない授業料無償化はバラマキであり無駄遣いなので県民世論の理解は得られます。自民党議員提案が賛成多数で成立します。

都道府県議会では、政府案が自民党からの修正を受けて、バラマキでない形で成立したという格好になるわけです。もちろん、条例よりも法律が上位なので様々な混乱が生じますが、多くの国民の関心を呼ぶことでしょう。また、「永住外国人の地方参政権」についても、仮に国会で成立しても、地方議会に大きく関わることなので、地方議会が黙っているはずがありません。

民主党連立政権が、従来の政権が出来なかった「正しいこと」をやってくれるのは大歓迎です。しかし、「間違っていること」をやられた場合には、主戦場を都道府県議会に移して保守系議員に頑張ってもらう方法があるということを紹介しました。ただし、残念ながらこれは地方行政に関連する法律に限定され、外交や安全保障等については当てはまりません。国会で成立した時点でアウトです・・・。

 

【写真】熊本市主催「くまもとお城まつり」の一環として『火の国YOSAKOIまつり』に審査員として参加。

 

真の保守確立

 自民党の危機的状況など国民にとってはどうでもよい事でしょう。良識ある国民の最大の関心事は、日本の正しい歴史や伝統を守る「保守」が危機にさらされるのではないかという事です。第二次世界大戦後のGHQによる「日本弱体化」政策は、教育・国防・農業(食糧問題)を中心に徐々に日本を蝕んでいます。4年間の国政経験で痛切に感じました。硬性憲法である現行憲法を廃止・改正することが、あらゆる呪縛を取り除く起点になるところでしたが、自民党が与党であった50年の間にそれができませんでした。唯一、安倍内閣において「憲法改正のための国民投票法」が成立したことは歴史的な出来事でした。その後、参議院選挙での与野党逆転によって憲法改正論議は宙に浮いたまま。さらに、ここにきて民主党連立政権によって、あたかも止めを刺されようとしている気がします。夫婦別姓、外国人参政権付与、靖国神社に代わる追悼施設建立、東アジア共同体、米国とのFTA締結、防衛費削減などなど・・・。口先だけで保守をとなえる人はたくさんいますが、私は真の保守確立に向けて出来る限りの努力をさせていただく決意でいます。国民が誇れる日本にすることが私の使命です。

【写真左】戦没者・殉職自衛隊員合同慰霊祭に参加(熊本県護国神社)。

【写真右】木原みのるを支援してくれる若手経済人の皆さんとともに。

  

原点回帰

 

自民党の再生に向けていろんな意見が出ています。「解党的な出直し」が必要という人もいますが、私は「立党の精神」つまり原点に戻ることが出来ればよいと考えます。そのためには、元来の保守政党としての存在意義を再確認しなければなりません。今から54年前の自民党結党時に書かれた【党の使命】を読みました。当時の問題意識は時代を超えて現在に及んでいます。政権交代後のこれから日本が抱えるであろう課題が明示されているようです。自民党再生のヒントはここにあると思いました

 

【写真】恒例の江津湖清掃活動

 

 

【党の使命】

昭和三十一年十一月十五日

世界の情勢を考え、国民の現状を省み、静かに祖国の前途を思うに、まことに憂慮にたえぬものがあり、今こそ、強力な政治による国政一新の急務を痛感する。
 原子科学の急速な進歩は、一面において戦争回避の努力に拍車を加え、この大勢は、国際共産勢力の戦術転換を余儀なくさせたが、その終局の目標たる世界制圧政策には毫も後退なく、特にわが国に対する浸透工作は、社会主義勢力をも含めた広範な反米統一戦線の結成を目ざし、いよいよ巧妙となりつつある。
 国内の現状を見るに、祖国愛と自主独立の精神は失われ、政治は昏迷を続け、経済は自立になお遠く、民生は不安の域を脱せず、独立体制は未だ十分整わず、加えて独裁を目ざす階級闘争は益々熾烈となりつつある。
 思うに、ここに至った一半の原因は、敗戦の初期の占領政策の過誤にある。占領下強調された民主主義、自由主義は新しい日本の指導理念として尊重し擁護すべきであるが、初期の占領政策の方向が、主としてわが国の弱体化に置かれていたため、憲法を始め教育制度その他の諸制度の改革に当り、不当に国家観念と愛国心を抑圧し、また国権を過度に分裂弱化させたものが少なくない。この間隙が新たなる国際情勢の変化と相まち、共産主義及び階級社会主義勢力の乗ずるところとなり、その急激な台頭を許すに至ったのである。
 他面、政党及び政治家の感情的対立抗争、党略と迎合と集団圧力による政治、綱紀紊乱等の諸弊が国家の大計遂行を困難ならしめ、経済の自立繁栄を阻害したこともまた反省されねばならぬ。
 この国運の危機を克服し、祖国の自由と独立と繁栄を永遠に保障するためには、正しい民主主義と自由を擁護し、真に祖国の復興を祈願する各政党、政治家が、深く自らの過去を反省し、小異を捨てて大同につき、国民の信頼と協力の基盤の上に、強力な新党を結成して政局を安定させ、国家百年の大計を周密に画策して、これを果断に実行する以外に途はない。
 わが党は、自由、人権、民主主義、議会政治の擁護を根本の理念とし、独裁を企図する共産主義勢力、階級社会主義勢力と徹底的に闘うとともに、秩序と伝統の中につねに進歩を求め、反省を怠らず、公明なる責任政治を確立し、内には国家の興隆と国民の福祉を増進し、外にはアジアの繁栄と世界の平和に貢献し、もって国民の信頼を繋ぎ得る道義的な国民政党たることを信念とする。而して、現下政治の通弊たる陳情や集団圧力に迎合する政治、官僚の政治支配、政治倫理の低下の傾向等を果敢に是正し、国家と国民全体の利益のために、庶政を一新する革新的な実行力ある政党たることを念願するものである。

わが党は右の理念と立場に立って、国民大衆と相携え、

第一、国民道義の確立と教育の改革

第二、政官界の刷新

第三、経済自立の達成

第四、福祉社会の建設

第五、平和外交の積極的展開

第六、現行憲法の自主的改正

を始めとする独立体制の整備を強力に実行し、もって、国民の負託に応えんとするものである。

自民党公認

 

心無い批判に落ち込み、激励の言葉に元気を取り戻し、一喜一憂の日々を送っています。選挙中には気付かなかった寝返りや裏切り行為が発覚しても、それらは全て終った事。追及する気はありません。勝ち馬に乗りたい人は乗ればよい。お天道様が見ています。

選挙中、「どうして自民党から立候補するの」「無所属だったら応援しやすいのに」という話をよく聞きました。確かに、支持率が低い政党から立候補するのは不利だし、選挙で勝つことだけを考えれば無所属の方が有利かもしれません。しかし、①支持率が高いからといって、自身の政治信条や政策と大きく異なる公約を掲げている政党公認で当選しても、思い通りの活動ができません。党議拘束のかかった採決で困ります。仲間と共に議員立法も出来ません。また、②市政・県政は別として、国政は政党政治が確立しています。「無所属」というと格好良いのですが、国会での質問時間が極めて限定されます。政治活動のための政党交付金の受け皿もありません。

次の衆議院選挙でも自民党に公認を申請します。その為にも、自民党の負の部分を改めて再生に向けての取り組みを行わなければなりません。

【写真】熊本市の酪農家や畜産農家を訪問。