日米2プラス2

米国からオースティン国防長官とブリンケン国務長官を東京に迎え、上川外務大臣とともに「日米外務・防衛担当閣僚会合」(日米2プラス2)を開催しました。

我々を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している中で、両国はそれぞれ2022年末に策定した国家安全保障戦略及び国家防衛戦略を基盤として、抑止力向上のための取組を実施してきました。

また、日米同盟が過去に前例のない高みに到達していることを評価するとともに、自由で開かれたインド太平洋を維持していくために、日米それぞれの指揮・統制枠組の向上を含む同盟の現代化、日米の防衛産業間の協力を含む装備技術協力、豪州や韓国をはじめとする多国間の防衛協力の推進といった日米同盟を更に強化する様々な取組について議論しました。

日米韓防衛相会談

韓国・国防部長官による訪日は、実に15年ぶりとなります。今回の日米韓防衛相会談は、歴史上初めての日本開催となりました。

安全保障環境がいっそう厳しさを増す中で、朝鮮半島、インド太平洋、そして、これを越えた地域の平和と安定にとって、日米韓3か国の連携は極めて重要です。

本日は北朝鮮、露朝協力、東シナ海及び南シナ海を含む地域情勢のほか、3か国の防衛協力の深化について、有意義な議論を行うことができました。

会談後には、日米韓の安全保障協力枠組みの覚書に署名。日米韓3か国協力はこの歴史的な会合により、名実ともに新たな段階を迎えます。

日本・スウェーデン防衛相会談

日本とスウェーデンは地理的には相当離れているものの、それぞれロシアの東と西に位置し、ロシアと複雑な問題を抱え、結果として情勢認識や戦略的利益の面で多くの共通点があります。今般、日本の防衛大臣としては初めてとなるスウェーデン訪問でしたが、大変有意義なものとなりました。

本年3月、スウェーデンはNATO(北大西洋条約機構)に正式加盟しています。これまで政治的中立な立場をとってきたスウェーデンにとっては、ロシアのウクライナ侵略を契機に戦略を変更したことになります。我が国はその大きな決断を支持しました。

欧州で発生した力による一方的な現状変更やその試みは、東アジアやインド太平洋地域でも発生する可能性を否定できません。ヨンソン大臣とはハイレベル交流や防衛装備・技術協力、NATOを通じた協力等、さらなる防衛協力・交流を推進していくことで一致しました。

日英伊防衛相会合

3週間前に労働党へ政権交代した英国(ロンドン)で日英伊防衛相会合を開催しました。

イタリア・クロセット国防大臣とともに、英国・ヒーリー国防大臣に就任の祝意を伝えるとともに、強固な安全保障・防衛パートナーシップを深化させるべく、日英伊の次期戦闘機共同開発を共に成功へと導いていきたい旨を述べました。

私達3人は安全保障環境が一層厳しさを増す中で、地域の平和と安定を守ることの重要性を再確認し、本年内に次期戦闘機プログラム(GCAP)を管理する政府間機関(GIGO)の立ち上げに向けて諸準備を進めていくことで合意しました。

また、2035年の初号機配備というスケジュールの達成に向け、引き続き強くコミットしていくことで一致しました。

奄美駐屯地を視察

今から約10年前(2013年)に防衛大臣政務官に着任した際、南西地域は陸上自衛隊の空白地帯と言われていました。その後、沿岸監視部隊や警備部隊の新編を始めとする南西地域の部隊態勢の強化を掲げ、2016年に与那国駐屯地、2019年に宮古島駐屯地と奄美駐屯地、2023年に石垣駐屯地を開設するなど着実に部隊配備を進めてきました。

引き続き、第15旅団の「師団」化や与那国駐屯地への地対空誘導弾部隊の配備など、南西地域の防衛体制強化の取組を進めていきます。

なぜ今、南西地域の防衛体制強化が必要なのか。現在、南西地域では中国の艦艇や航空機の活発な活動がみられます。こうした状況においては、我が国の防衛体制を目に見える形で示し、力による一方的な現状変更を許容しないとの我が国の揺るぎない意思を示すことが重要です。そして、こうした防衛力の強化は、我が国への武力攻撃の可能性を一層低下させる抑止力にもなると考えます。

同時に、防衛省・自衛隊には、災害発生時の人命救助や生活支援を効果的に行うことが期待されています。本日視察した奄美警備隊は、奄美市と大規模災害発災時の対応について、今月4日に新たに協定を結びました。平素からの自治体との連携が、防災・減災のために最も重要な取組の1つであると確信しています。

奄美大島には陸・海・空自衛隊が所在します。拠点がある奄美市や瀬戸内町には、自衛隊の活動に多大なる御理解と御協力をいただいてきました。心より感謝致します。引き続き、防災訓練を始めとする様々な取組を通じ、災害時には地方自治体をはじめ警察機関等と連携して対応して参ります。