反撃能力の実装に向けて

陸上自衛隊健軍駐屯地に12式地対艦誘導弾(12SSM)を能力向上型に更新する計画が地元紙等に連日取り上げられています。

印象操作により県民の皆さんが間違った見解を持つことがないように、また、防衛省・自衛隊の方針を正しく理解してもらうために、前防衛大臣として各所で説明しています。

まずは、熊本市議会議員と熊本県議会議員の有志の皆さんに説明し、ご理解をいただきました。

  • そもそも健軍駐屯地には既に「地対艦ミサイル連隊」が配備されており、新たに部隊を配備するものではありません。能力向上型に更新するものです。
  • 健軍駐屯地には整備基盤が整っているため、更新する能力向上型のメンテナンスに万全を期することができます。
  • 発射台は車両に設置されており、運用する際には必要な場所に移動して任務にあたります。健軍駐屯地に固定するものではありません。
  • 反撃能力(敵基地攻撃能力)にも活用し得るものです。こうした能力により、相手に攻撃を思いとどませる抑止力を得ることになり、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えます。
  • 健軍駐屯地司令部庁舎の地下化事業については、12SSM配備とは無関係です。全国の主要な自衛隊司令部の地下化を目指しています。九州から沖縄県の与那国島まで所管する西部方面隊の司令部機能を維持することは国防の観点から重要なことです。
  • 12SSMはR7・R8に健軍駐屯地(熊本県)だけに配備されるものではなく、R9には富士駐屯地(静岡県)にも配備されます。
  • 12SSMは「地発型」だけでなく、「艦発型」が「護衛艦てるづき」で、「空発型」がF-2戦闘機能力向上型で運用を予定しています。また、米国製トマホークミサイルも反撃能力を有しています。このように重層的な体制により、侵略意図のある相手に複雑な対応を強いることができます。