国民の信頼を得た自衛隊

卒業式のシーズンですね。

昭和32年の防衛大学校第1回卒業式で吉田茂総理大臣が卒業生に訓示しましたが、その内容の一部を紹介します。

「君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。」

一方、内閣府が本日発表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」で、自衛隊に好印象を持つ回答が92.2%に達し、昭和44年の調査開始以来、過去最高となりました。東日本大震災での献身的な救援活動などで、存在が改めて評価された前回調査(平成24年1月)の91.7%をさらに上回ったことになります。

どう理解すれば良いのでしょうか。

日陰者と言われた不遇の時代を乗り越えて、防衛省・自衛隊が国民から信頼される組織になったことは心から喜ばしいことです。しかし、吉田茂総理の言葉を借りて言えば、現在の日本は国民が困窮し国家が混乱に直面してしまったことになります。喜んでばかりはいられず複雑な思いも交錯します。

戦後70年の今年、自衛隊の活動が更に適正に評価されるためには、まず憲法改正によって自衛隊の位置付けを明確化しなければなりません。

選挙権年齢の引き下げ

選挙権年齢を18歳に引き下げるための「公職選挙法等の一部を改正する法律案」を衆議院に提出しました。

前提として、昨年改正した「日本国憲法の改正手続に関する法律」によって、憲法改正に向けた国民投票権年齢は18歳に引き下げられることが決まっています(公布後4年経過が必要。その間に選挙権年齢が18歳に引き下げられた場合は4年を待たない)。

国民投票権と選挙権は異なるということ。

そして、今回選挙権年齢はが18歳に引き下げられたとしても、成人年齢が20歳から18歳になるわけではありません。今回の法案が成立すれば「大人になる前に選挙に行けるようになる」ということなのです。

果たして、これでよいのかどうか。私は当初は、国民投票権や選挙権年齢の引き下げ自体に反対でした。若者の精神年齢は低下している状況で、18歳の少年が主権の最たる選挙権を行使するに値する存在足りえるのどうか疑問だったからです。

しかし、よく分析した結果、現在は前向きに考えています。20代の投票率が極めて低い我が国において、18歳の高校生に国民投票権や選挙権を付与することで、学校教育の現場で憲法の事、政治や政策の事、法治国家日本における選挙権の重要性をリアルに学ぶチャンスが増えるからです。

若者の投票率が飛躍的に向上する可能性に期待します。

今後は、民法や少年法を改正していく必要性を感じています。すみやかに成人(大人)年齢を18歳に引き下げなければなりません。憲法改正国民投票権や選挙権などの権利に対しては、日本国民としての義務が伴います。大人としての義務を果たしてこそ、あらゆる権利を行使し、自己責任のもとで自由を謳歌できるにちがいありません。

この点について、国会には様々な意見がありますが、まずは党内の意見集約に向けて積極的に関与して参ります。