フィリピンとバイ会談を実施

外交でよく使われる用語として「バイ」と「マルチ」があります。「バイ」とはバイラテラル(bilateral)の略で、二国間という意味、「マルチ」とはマルチラテラル(multilateral)の略で、多国間という意味です。

昨日(5月2日)実施された日・米・豪防衛相会談や日・米・豪・比防衛相会談は、3カ国と4か国での会談ですので、いづれもマルチ会談となります。

本日(5月3日)はフィリピンのテオドロ国防大臣との間でバイ会談を実施しました。会談では、南シナ海情勢を含む地域情勢について意見を交わしました。こうした中で、私とテオドロ大臣は、自由で開かれたインド太平洋を実現していくことが重要との考えを再確認しました。

また、二国間協力については、移動式警戒管制レーダーの移転といった日比間の安全保障面での協力が近年進展していることを歓迎するとともに、今後も様々な分野で両国間の防衛協力・交流を進めていくことで一致しました。

昨年11月に交渉を発表したRAA(日比円滑化協定)については、その早期の妥結に向けて両国が一層連携していくことで一致しました。

わが国としては、引き続きフィリピンとの二国間及び日本とフィリピンを含む多国間での防衛協力を一層深めていきたいと考えています。

日米豪比防衛相、初の共同記者会見

日本・米国・オーストラリア・フィリピン各国の防衛相による会談を実施しました。

インド太平洋地域の平和と安定を維持していくために、同盟国・同志国等との協力・連携を示すことは極めて重要であり、わが国としては、いかなる地域でも法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することが重要であると考えています。

特に、東シナ海や南シナ海をめぐる問題は、地域の平和と安定に直結する日米豪比を含む国際社会の正当な関心事項です。我々4か国は、力による一方的な現状変更やその試み、そして緊張を高めるいかなる行為にも強く反対します。

我々は平和で安定したインド太平洋地域の礎である「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを共有する全ての国とともにあります。今回、日米豪比の4か国による初の共同記者会見が実現できたことは非常に意義の大きいことでした。

今後も日米豪比の4か国での連携を強化し、インド太平洋地域の平和と安定の確保のために全力で取り組んでいく決意です。米国オースティン長官、豪州マールズ国防大臣、比国テオドロ国防大臣、そして本会合の開催に尽力された各国関係者の皆様に感謝申し上げます。