反撃能力の正しい理解を

陸上自衛隊健軍駐屯地に所属している第5地対艦ミサイル連隊。そこに配備されているスタンド・オフ・ミサイル12式地対艦誘導弾(12SSM)を「能力向上型」に更新します。

能力が向上することで射程が伸びて「反撃能力」を保有することになります。

反撃能力とは、わが国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイルなどによる攻撃が行われた場合、「武力の行使」の三要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、わが国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンド・オフ防衛能力などを活用した自衛隊の能力のことを言います。

反撃能力は、憲法、国際法、国内法の範囲内で行使されるものです。武力攻撃が発生していない段階で自ら先に攻撃する先制攻撃は許されず、それを行うことはありません。

大阪・関西万博

4月13日に大阪市の夢洲で開幕した「大阪・関西万博」ですが、いよいよ10月13日に閉幕となります。

万博には「ナショナルデー」があります。参加国それぞれの参加を称える日で、参加国に対する理解を深め、国際親善の増進に寄与することを目的に式典や文化イベントなどが行われます。

10月1日はポーランド共和国のナショナルデーでした。私が幹事長を務める「衆議院日本・ポーランド友好議員連盟」は駐日ポーランド共和国大使館からの招待を受けましたので、議連メンバーを代表してポーランドパビリオンを訪問しました。また、公式行事に参加させていただきました。式典には高円宮承子女王殿下がお成りになりました。

開幕までは何かと問題点を指摘された万博でしたが、運営収支の黒字化ラインとする来場者2200万人は既にクリアしたとのこと。この日も各国が趣向を凝らしたパビリオンはどこも長蛇の列でした。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに相応しい国際博覧会として国民から受け入れられ、結果として成功に近づいているのではないでしょうか。

横浜ノース・ドック

陸上自衛隊横浜駐屯地に所在する中央輸送隊本部を視察しました。装備品の日本と海外との間の輸送、特にFMS調達(Foreign Military Sales:米国が同盟国に装備品を有償で提供する制度)に係る輸出入品の管理業務を行なっています。

次に、在日米陸軍が管理・使用する港湾施設「横浜ノース・ドック」を視察しました。インド太平洋地域における米軍の陸上及び海上輸送・補給の中枢として、各部隊の遠征の支援や、装備品の管理・保管などを行っています。

また、横浜ノース・ドックには陸自中央輸送隊(輸送処理隊)も配置されており、日米共同訓練では米軍が自衛隊の輸送支援を行うなど、平素より米陸軍・陸自間で緊密に連携してます。

「素人は戦略を語り、プロは兵站を語る」

歴戦を勝ち抜いた軍人や戦争を研究した戦史家たちの多くは、その勝敗を分けてきたのは戦略よりも兵站だったと言います。現代の有事には欠かせない継戦能力を高めていくためには、より綿密なロジスティック計画が求められます。

三菱重工小牧南工場を視察

三菱重工業(MHI)小牧南工場を訪問し、同社の取組状況についてお話しを伺い意見交換をしました。自民党総裁選挙に立候補している茂木敏充代議士や、鈴木憲和代議士も参加となりました。

視察内容として具体的には以下の通りです。

①現在対応が急がれている「無人機開発」への取り組みについて

②最新である「第5世代戦闘機F35の最終組立、維持整備工場について

③次期戦闘機(第6世代)となる日・英・伊による国際共同開発GCAPの進捗紀状況に関して

これらは全て日本の安全保障にとって極めて重要です。着実に進捗している状況を確認することができました。

防衛産業は「わが国の防衛力そのもの」です。今後とも防衛産業とともに防衛力の抜本的な強化に継続して取り組んでいきたい、という強い気持ちを新たにしたところです。

熊本大学の今後の展開

熊本大学に半導体関連の施設が新設されました。以下の2つの施設を有する新棟の開所式に参加しました。

  • SOIL(ソイル)はSemiconductor Open Innovation Laboratoryの略称です。半導体関連の共同研究ラボで、九州大学や東京大学をはじめとする他大学や民間企業との共同研究が可能となります。
  • D-Square(ディースクエア)は自然科学研究部の大学院生や情報融合学環の学部生、文系と理系、社会と大学のように多様な組織が融合して新たな研究や学びを実践します。

また、令和6年4月に75年ぶりに新設された学部組織「情報融合学環」に続く9つめの学部組織として「共創学環」が令和8年4月に設置されます。熊本大学初の経営・マネジメントの教育を取り入れた学部となります。

競争率の高い人気の学部となるでしょう。

これからの熊本大学に期待することは、地域社会から地球規模に至る課題に常に向き合い解決に導くことができる人材の育成。また、創造的なイノベーションを通じて社会の要請に柔軟に対応できる高度な人材の育成です。

これらを実現するために、是非とも教育研究拠点大学を目指していただきたいものです。