中央は民主党連立政権になりましたが、都道府県では自民党会派または保守系無所属会派が多数を占める議会が多い。熊本県もそうですが、中央と地方との「ねじれ現象」です。ここに暴走する民主党連立政権が打ち出す政策や予算に歯止めをかけるチャンスがあるということを申し上げます。
「高校授業料無償化」を例にとってシュミレーションします。政府は「一律給付。但し扶養者控除廃止・所得控除廃止」という法案(A案)を提出します。高校生の子どもがいる世帯を救済する事は悪いことではないが、厳しい財政事情を考慮して、自民党は「所得制限を設けた上で、授業料の一部補助」という対案(B案)を提出します。扶養者控除・所得控除は現状維持です。結果は、「マニフェストに書いてあるから」という理由で修正無しでA案が成立となります。
熊本県執行部は、法律を受けて条例案と予算案を作成して熊本県議会に提案します。ここで、自民党県議団は国会で否決されたB案を、再び条例案及び予算案として議員提案し執行部案に対抗します。所得制限のない授業料無償化はバラマキであり無駄遣いなので県民世論の理解は得られます。自民党議員提案が賛成多数で成立します。
都道府県議会では、政府案が自民党からの修正を受けて、バラマキでない形で成立したという格好になるわけです。もちろん、条例よりも法律が上位なので様々な混乱が生じますが、多くの国民の関心を呼ぶことでしょう。また、「永住外国人の地方参政権」についても、仮に国会で成立しても、地方議会に大きく関わることなので、地方議会が黙っているはずがありません。
民主党連立政権が、従来の政権が出来なかった「正しいこと」をやってくれるのは大歓迎です。しかし、「間違っていること」をやられた場合には、主戦場を都道府県議会に移して保守系議員に頑張ってもらう方法があるということを紹介しました。ただし、残念ながらこれは地方行政に関連する法律に限定され、外交や安全保障等については当てはまりません。国会で成立した時点でアウトです・・・。
【写真】熊本市主催「くまもとお城まつり」の一環として『火の国YOSAKOIまつり』に審査員として参加。