英才教育

 

「エリート」とはフランス語で「神に選ばれた者」。フランスでは、ある分野に秀でた人・才能に恵まれた人が、社会のため他人のために貢献することは当然とされ、今でもエリート養成システムが存在します。アメリカでも柔軟な進級制度があり、「天才」を別の学校に集めて学ばせることを公教育で行っています。

 

一方、日本では、かつて軍の士官学校のような人材を発掘してリーダーを育てる制度がありました。戦前の尋常小学校や旧制中学でも「飛び級」が制度として行われていました。しかし、戦後はリーダーを育てるためのエリート教育はタブーになりました。

 

小学校の先生は、生徒が中学生になる為の学力を身に付けることを目標とし、中学校の先生は、良い高校に進学することを目標とし、高校の先生は、大学受験に合格することを目標にしています。つまり、教員の仕事は与えられた過程を修了させて次の先生に引き継ぐことだけ。生徒が社会に出て大きく羽ばたくことを願うことしかできないシステムです。

 

脳科学者によると、自ら求め自ら考える時、人間の脳は、受身で嫌々行うときの10倍の力を発揮するということです。今後の子どもの教育を考えるときの大きなヒントになります。子どもの得意分野を発見し、その特定分野に強い興味・関心を持たせ、将来の夢につなげていく。いつまでも横並びの教育ではなく、タブーを打ち破り、教員が一部の才能ある生徒を発掘しエリートとして育てていくシステムを日本の公教育にも取り入れていきたいと考えています。

 

日本の政界も人材不足と言われます。大変情けない話ですが、本当だとすれば最も深刻な問題ですね。