まもなく3月です。
政府は3月中に、温室効果ガス25%削減達成の諸施策を盛り込んだ「地球温暖化対策基本法案」を作成すると約束しています。
25%削減は世界的に突出しているだけでなく、数年前に省エネを済ませている日本にとって異様に高いハードルです。数値の根拠もあいまいです。
これほど難しい目標であるにもかかわらず、半年間、政府内で本格的に討議された形跡はみえません。不景気の中で日本経済へ及ぼす影響や目的達成のための手順や方向性も語られていません。
太陽光発電の普及に要するコストなどは、電気料金の値上がりとして消費者が負担するしかないのですが、家計を圧迫する金額さえ明確には示されていません。原発の増設や稼働率の向上も避けて通れないはずです。
しかし、国民は具体的な説明を何も受けていないまま。
ケニア出身のワンガリ・マータイさん。環境分野の活躍が認められてノーベル平和賞を受賞したことで有名な活動家です。2005年に来日して、日本語の「もったいない」に出会います。
環境活動の「3R」は、Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)ですが、マータイさんによれば「もったいない」には3Rに加えてRespect(尊敬)が込められているといいます。
神社の御札はゴミ箱には捨てられないのと同様に、「もったいない」の根底には自然やモノに対する敬意があります。
「もったいない」という気持ちは、家庭教育の中で培われてきたものです。現代では「もったいない」を教える大人が家庭にいないのではないでしょうか。
浪費や粗末な扱いを禁じて倹約を行いなさいと運動する前に、「もったいない」の精神を教える等の道徳教育・倫理教育費を増額することが「急がば回れ」のような気がします。
「事業仕分け」で仕分けられてしまいそうですが。