東日本大震災は「想定外」や「未曾有」という言葉で表現されますが、本当にそうでしょうか。
7月に岩手県の被災地視察で、山あいや高台の神社に避難した人から「祖先からの古い言い伝えがあった」と聞きました。
平安時代の歴史書「日本三代実録」によると、西暦869年に貞観地震が発生しています。今から1142年前です。地質調査からも裏付けが出来ています。また貞観地震からさらに約千年さかのぼった弥生時代にも、同じパターンの地震と津波が発生していることも地質調査でわかっていました。
「想定外」でも「未曾有」でもなかったのです。
しかし、避難所でのインタビューでは「大津波警報は知っていたが本当に来るとは思わなかった」また「これまでの津波警報の時も99%は来なかった」と聞きました。
おそらく、ほとんどの日本人がそう答えるのだと思います。
これは日本人の精神が弛緩し「歴史に学ぶ」という謙虚さが欠けている結果ではないではないでしょうか。
- 日本の財政や経済が危機的状況だとわかっていても、「誰かがなんとかしてくれるはず」と信じてバラマキマニフェストを支持した国民。
- 北朝鮮や中国は核ミサイルを保有し、弾道ミサイルの目標が日本であるにもかかわらず、「まさか発射しないだろう」と本気で思っている国民。
このまま国民精神が弛緩し堕落してしまえば日本国は終わってしまうでしょう。
これまで政策を担当してきた行政、営利のみを追求してきた経済界の責任は重い。加えて大衆に迎合してきた政治とメディアの責任は極めて重い。
「99%来ない」国難に対して、最悪の事態を想定して備えるのが政治の役割りで、最悪の事態が発生しうる現実を伝えるのがメディアの役割りだと思います。
日本をあきらめる訳にはいきません。
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