駆け込み需要=需要の先食い

今年の景気動向はどうでしょうか。

是非は別として消費税増税法案が成立する公算が高いようです。消費税増税が景気に与える影響を考えてみました。振り返ってみると、直近の消費税増税は3%から5%になった1997年4月1日でした。

○1994年 消費税増税法(3%→5%)成立

●1997年 消費税増税法(3%→5%)施行

増税法が成立してから施行されるまでの約2年間は意外にも好景気でした。1990年のバブル崩壊以降、久しぶりに税収が増えたのが1995年度と1996年度でした。

いわゆる「駆け込み需要」と言われたものです。これは需要の先食いであり、1997年度は増税したにもかかわらず税収は下がっています。税収増は一過性の現象であり、景気回復ではありませんでした。

同様に今年、消費税増税が決定したならば、施行までには以下ようにタイムラグが発生します。

○2012年 消費税増税法(5%→8%→10%)成立

●2014年 消費税増税法(5%→8%)施行

●2016年 消費税増税法(8%→10%)施行

前回のデータによれば、来年度からの4年間(2年+2年)は税収が増える可能性があります。各種販売業者もキャンペーンを打ちます。住宅や車など高額商品の「駆け込み需要」は間違いなく存在すると言ってよいでしょう。

歴史は繰り返すものです。決して勘違いしてはならないのは、今年の夏場から景気が良くなったとしても、それは増税の副産物(需要の先食い)であり、根本から経済が立ち直ったとは言えないということです。

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