沖縄県宜野湾市を訪れた人は誰もが、同市の25%を占める米軍普天間飛行場の騒音に驚き、航空機事故の危険性を感じます。
自民党政権では約13年間をかけて「沖縄県の負担軽減と抑止力維持の両立」との目標達成のために心血を注ぎ、ようやく在沖縄米海兵隊のグアム移設と普天間飛行場の辺野古移転で調整がついたところでした。
これが見直されます。これまで、①在沖縄海兵隊8,000人移設の前提条件として、②普天間飛行場の辺野古移転がセットになってましたが、今回①と②が切り離されるということです。
その結果、米軍は①8,000人のうち4,700人をグアムに先行移転させます。引き続き②辺野古移設計画は堅持、としながも「普天間飛行場の固定化」はやむなしというのが我々の認識です。目標は振り出しに戻ってしまいました。
基地問題を争点とする宜野湾市長選挙が始まっています。政権与党が政府の方針である辺野古移設を公約とする候補者を擁立できませんでした。「国外、少なくとも県外」と声高に叫んで政権をつかんだ政党に、この問題を解決する資格はありません。場当たり的な対応しか出来ない事を責めても仕方ないでしょう。
それよりも最大の責任者である鳩山由紀夫氏は、総理大臣を辞任して一度でも沖縄に足を運んだのでしょうか。当時の側近や菅直人氏とともに、沖縄県で謝罪と釈明のお遍路をすることを心から願います。
ところで、沖縄防衛局長の「講話」が問題になっていますね。誤解を生む講話だったことは否定しませんが、よく内容を精査した結果、まるで鬼の首を取ったようにトップニュースで扱われるほどではないと感じました。
前回の宜野湾市長選挙や参議院補欠選挙や県知事選挙・・・私は何度も沖縄へ応援に行きましたので、沖縄県内の自治労や日教組の組合員が、現在どれほど選挙運動を展開している分かります。同じ公務員という立場でも極めて悪質で深刻な問題です。こちらこそ報道で取り上げて欲しいものです。