第28回新型コロナウイルス感染症対策本部

現在、7都府県は「緊急事態宣言」の発令下にあり、厳しい対応策が取られています。一方で、対象以外の道府県では、いわゆる《夜の街クラスター》と呼ばれる、繁華街の接客を伴う飲食店を起点とした感染が拡大しています。感染経路不明ケースが多いのが《夜の街クラスター》の特徴です。そこで、全国の繁華街でのクラスター発生を防ぐため「基本的対処方針」を変更し、「緊急事態宣言」以外の全国においても、接客を伴う店の利用について自粛するよう強く促すことにしました。

以下、取りまとめとしての総理発言です。

[緊急事態宣言の発出を受けて、国民の皆様には、最低7割、極力8割、人と人との接触を削減する、との目標のもと在宅での勤務をはじめ、不要不急の外出を自粛いただくなど大変なご協力をいただいておりますことに感謝申し上げます。

●この緊急事態を1か月で終えるためには、最低7割、極力8割の、接触削減を何としても実現しなければなりません。そのためには、もう一段の国民の皆様のご協力をいただくことが不可欠であります。緊急事態宣言の区域内においては、原則、すべての従業員による自宅勤務などを実施している企業が多くあるとの報告を受けています。他方、7割から8割の削減目標との関係では、いまだ通勤者の減少が十分ではない面もあることから、①オフィスでの仕事は、原則として自宅で行えるようにする。②どうしても出勤が必要な場合も、出勤者を最低7割は減らす。関係省庁は、来週に向けて、強い危機感を持って、中小・小規模事業者の皆さんも含むすべての事業者の皆さんにこの要請を徹底してください。

●また、夜の繁華街においては、既に多くの感染が確認されており、緊急事態宣言が発出された地域のみならず、全国的な広がりを見せています。7都府県において強い自粛要請を行うことで、結果として、他の道府県への人の流れが生まれるような事態は、あってはなりません。そのため、密閉・密集・密接、3つの「密」が、より濃厚な形で重なる、バー・ナイトクラブ・カラオケ・ライブハウスはもとより、繁華街の接客を伴う飲食店等については、緊急事態宣言が出ている地域か否かを問わず、全国すべての道府県において、その出入りを控えていただくよう、特措法第24条9項に基づいて要請すべき旨を基本的対処方針に新たに追加いたしました。

○緊急事態宣言が発出された地域では、医療提供体制がひっ迫しています。政府として、軽症者や無症状感染者向けの宿泊施設の確保に加え、自衛隊を派遣して宿泊施設への移送の協力、施設内のゾーニングや関係者の皆さんの能力構築支援なども行っていますが、医療現場の負担を軽減するため、都府県と連携してこうした取組を一層加速してください。

●さらに、現場で必要となる医療物資の不足状況を緩和するため、プッシュ型で提供していきます。サージカルマスクは、来週までに合計で4,500万枚を全国の医療機関に配布しますが、7都府県の医療機関向けに、追加で、1,000万枚を配布します。医療用ガウン及びフェイスシールドについては、それぞれ100万着を7都府県それぞれのひっ迫状況に応じて直ちに配布してください。N95マスク及びKN95マスクについては、現在、輸入が激減し大変厳しい状況にありますが、来週中に7万枚を届けるとともに、今月中に70万枚を配布します。また7都府県以外の地域においても、医療現場の状況にしっかりと目配りし医療防護具の提供にできる限りの努力を尽くして下さい。

○感染リスクと背中合わせの厳しい状況のもとで、今この瞬間も医療従事者の皆さんは、命を守るために全力を尽くして下さっています。改めて、心からの感謝の気持ちを示すとともに、医療現場を守るために全国的に不足状況が続いている医療物資について、科学的かつ効率的な使い方が可能となるような各種支援に加え、引き続きあらゆる手を尽くして国内の生産体制の増強を進めていきます。

○これまでも設備投資への大胆な補助金などにより、異業種を含めた国内メーカーに積極的な生産拡大を促してまいりましたが、今般の経済対策なども活用し、政府一丸となって取組を更に強化してください。

○院内感染のリスクを軽減する観点から、来週から初診を含めて、電話やオンラインでの診療を可能とします。今後とも医療現場の負担軽減に向けて、各省庁はできる限りの取組を進めてください。

この緊急事態を乗り越えるため、国民の皆様の行動変容、行動を変えていただくこととともに、政府と都道府県が連携した取組の強化が求められています。各位にあっては、現場の声・情報を幅広く吸い上げるとともに、対策を柔軟かつ迅速に打っていってください。]