失業なき労働移動

新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、一時的に雇用過剰となった企業(飲食業・宿泊業・旅行業等)が数多くあります。私の元同僚(航空業)も苦しんでいます。

昨年、厚生労働大臣と私とで「労働政策対話」を数回実施し、日本労働組合総連合会(連合)を産業別にヒアリングしました。労働組合から様々な意見や要望をいただきましたが、労働者の権利拡充も、職場の環境改善も、全て雇用があってのこと。あらためて労働者にとって最も大切なことは雇用の維持だと理解しました。

一方、コロナ以前の我が国は多くの業種が人手不足で、外国人労働者の在留資格制度を見直し特定技能制度を設けるなど深刻な状態でした。また、コロナとは無関係に急成長あるいは堅調な業績を維持する業種も少なくありません。日経平均株価も高水準です。

そこで、雇用過剰となった会社と人手不足が生じている会社との間で、出向により従業員の雇用を守る政策を形にしました。それが「雇用シェア(在籍型出向)支援」です。「失業なき労働移動」の具現化とも言われています。

労働者の雇用を在籍型出向により維持するため、労働者を送り出す事業主と当該労働者を受け入れる事業主のマッチングを促し、双方に一定期間の助成(産業雇用安定助成金)を行います。

私は官邸における労働政策の担当として、また民間企業の労働者OBとして、これからも真面目に働く労働者を全力で応援します。

《熊本県「在籍型出向」協議会設立》
https://www.kab.co.jp/news/?NewsData=202103262361.php&path=video/202103262361.mp4&mode=1