重要土地等調査法について

今国会で成立した特筆すべき法律のひとつが重要土地等調査法(重要施設周辺及び国境離島等の土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律)です。

賛成→自民・公明・維新・国民
反対→立民・共産

各政党の賛否をみると、わが国の安全保障に対するスタンスがよくわかります。質疑者の議事録を読むと更に明確です。

2016年にオーストラリア・ダーウィンの港湾が中国の某企業に99年間貸与されることになりました。この港は米国の海兵隊が駐留する拠点に近く軍事的に重要な位置にあります。また、2017年にはスリランカ・ハンバントタ港が中国の国有企業に99年間リースされることになりました。言うまでもなくインド洋におけるシーレーンの要衝です。

日本国内でも既に同様の事例が数件報告されており、今回の法制整備は長年の課題でした。

憲法で保障されている通り、財産権や所有権など個人の権利はとても大切です。しかし、国の安全保障に資するために、一定の私権制限はやむを得ないものと考えます。

この重要土地等調査法は必ずしも万能ではありませんが、長年の課題を解決する糸口になるでしょう。個人情報の保護に十分配慮しつつ、憲法による「公共の福祉」に適合するよう、この法律を着実に執行します。