能登半島地震復旧・復興支援本部

総理官邸にて、「令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部」が開催されました。関係閣僚の一人として、私も構成員になります。

地震発生から1ヶ月が経過し、これから被災地は復旧・復興の段階に移行していきます。第1回の会議では、当本部の設置及び復旧・復興に向けた政府の取組について議論が行われました。

本日の議論を踏まえた岸田総理の発言は以下の通りです。

「令和6年能登半島地震の発災から、ひと月が経過しました。厳しい冬の寒さの中、被災地では、多くの被災者の方々が不自由な避難生活を強いられています。この復旧・復興支援本部を司令塔として、被災自治体と緊密に連携し、被災者の方々の帰還と、被災地の再生まで責任を持って取り組んでまいります。被災された方々が再び住み慣れた土地に戻ってこられるようにするためには、インフラの復旧を加速化する必要があります。このため、既に指示している、主要幹線道路及び河川・砂防事業等5箇所に加え、能登空港、輪島港、飯田港、穴水港、七尾港などの8港湾、狼煙(のろし) 漁港及び鵜飼(うかい) 漁港海岸、宝立正院(ほうりゅうしょういん) 海岸や和倉港 海岸など、新たに21箇所について、大規模災害復興法等に基づき、国が本格的な工事を代行するよう、各所管省庁において、被災自治体との調整を進めてください。また、電力や通信はおおむね復旧したところであり、水道やケーブルテレビについても、一日も早く復旧できるよう、被災自治体・事業者の支援を強化してください。その上で、被災者の帰還に向けて、住まいの確保が重要な課題です。能登半島の実情も踏まえ、応急仮設住宅としての利用後の活用も見据えて、木造仮設住宅を含め、仮設住宅の建設を加速してください。さらに、本日、被災により住宅の被害を被った被災者への経済的支援に係る追加的な方策について、3点申し上げます。第一に、被災された皆様の負担の軽減を図るため、臨時・異例の対応として、今般の災害による住宅や家財等の資産の損失を令和5年分の所得税に適用することを認める特例等を設けることといたします。明日の閣議で決定し、法案提出に向けた所要の準備を進めてまいります。第二に、生活福祉資金貸付について、災害援護費・住宅補修費の特例措置を導入いたします。ただし、高齢者の割合が著しく高い地域では長期の貸付という従来の手法がなじみにくいことも勘案し、特に、高齢化が著しく進み、半島という地理的制約から地域コミュニティの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域6市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度を設けます。その際、半壊以上の被災をした高齢者等のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大100万円、住宅の再建支援に最大200万円、合計最大300万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう、早急に制度設計を進め、成案を得ます。第三に、同制度の対象とならない若者・子育て世帯についても、過疎地が多い能登半島からの人口流出を防ぐ観点から、被災地に住み続けていただくことが重要であり、遜色のない対応が必要です。このため、足元の物価・金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担助成など、地域の実情を踏まえた、きめ細かな事業を行うことが可能となるよう、その方策について、石川県と調整を進めます。政府としては、引き続き、できることはすべてやるという考え方で、復興庁の知見も活用しながら、政府一丸となって、被災者の生活と生業(なりわい)の支援パッケージに基づき、全国自治体・事業者の協力も得て、復旧・復興を強力に推進してまいります。」