日フィンランド防衛相会談

フィンランド共和国からアンティ・ハッカネン国防大臣が来日しました。フィンランドとの防衛相会談としては約2年ぶりの実施となります。

まず、今般のウクライナ情勢を受け、NATO加盟を決断したことへの支持を伝え、これまでの努力に敬意を表しました。

力又は威圧による一方的な現状変更やその試みは、欧州だけで起きているものではなく、インド太平洋地域でも活発化しています。

フィンランドとは、2019年に「日フィンランド防衛協力・交流の覚書」に署名して以降、様々な防衛協力・交流が進んでいるところです。

本日の会談では、防衛装備移転及び情報保護の枠組みの構築に向けた検討を進めるために協力していくことを確認するなど、充実した議論となりました。

この会談を契機として、着実に進展してきている日フィンランド防衛協力・交流に、更に弾みをつけたいと思います。

日豪「2プラス2」in クイーンズクリフ

日本とオーストラリアによる外務・防衛閣僚協議(日豪「2プラス2」)を開催しました。豪側は、マールズ国防大臣(副首相)とウォン外務大臣、日本側は上川外務大臣と私による4人で、かつてないほど強固な日豪安全保障・防衛協力を確認することができました。その上で、2022年10月の日豪安保共同宣言を踏まえ、日豪協力を更に推進することで一致しました。

防衛当局間では、平素から緊急事態まで切れ目なく、自衛隊と豪軍が実効的に連携する態勢を構築し、米国と共に実践的な抑止力・対処力を強化することが極めて重要になります。こうした観点から、「運用協力・共同訓練」については、「運用面の協力の範囲・目的及び形態」に係る議論の発展、我が国が行う「事態に応じて柔軟に選択される抑止措置(FDO)」等も踏まえつつ、一方的な現状変更を抑止するための協力の促進、我が国の統合作戦司令部の設立を契機として、連絡官の相互派遣を含む指揮統制の連携強化等を進めていきます。

「先進能力の協力・技術協力」については、日本のスタンド・オフ防衛能力を活用した反撃能力と豪州の長距離打撃力との協力強化、日豪、日豪米、AUKUSとの更なる技術協力の追求等で一致しました。

「日豪米3か国協力」については、日米共同情報分析組織(BIAC)への豪軍要員参加を歓迎し、地域における日豪米ISR協力の更なる拡大、この他、戦力態勢イニシアティヴへの日本の参加拡大など、本年5月の日豪米防衛相会談で合意した取組の推進を確認できました。

また、インドやフィリピンなど東南アジア諸国、太平洋島嶼国、韓国などインド太平洋地域の同志国との連携を更に推進します。

防衛省としては、今回の日豪「2プラス2」で示された方向性を踏まえ、日豪二国間の協力、米国を加えた三カ国で協力し、地域の同志国との重層的な連携を強化していく考えです。

日豪防衛相会談 in ウェリビー

オーストラリアを訪問。リチャード・マールズ豪州副首相兼国防大臣と防衛相会談を行いました。マールズ大臣との会談は、東京、ハワイ、シンガポールに続き4回目となります。

まず、我が国周辺での中国の軍事活動の活発化、特に先月26日の中国軍機による領空侵犯については、強い懸念を共有し、力又は威圧による一方的な現状変更の試みに対して一層連携を強化していくことを確認。日本にとって豪州は同志国連携の中核です。同盟国である米国を含めて抑止力・対処力を強化する取組の一層の強化が何より重要との点で一致しました。

また、日本のスタンド・オフ防衛能力を活用した反撃能力と、豪州の長距離打撃力の協力の推進や運用協力・共同訓練をはじめ、自衛隊と豪軍の相互運用性を向上させる取組など各種協力についても協議しました。

加えて、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、インド太平洋地域の同志国との連携を一層強化することでも一致しています。明日に行われる日豪「2プラス2」も踏まえ、日豪防衛当局間ではあらゆるレベルで緊密に連携し、自衛隊と豪軍の実効的な連携の強化をはじめ日豪防衛協力の更なる進展を図ってまいります。

ノルウェー国防大臣が来日

ノルウェー王国ビョルン・アリルド・グラム 国防大臣が来日しています。

日本とノルウェーは地理的に離れており、共通点は無さそうです。ところが、共に海洋国家であり、それぞれロシアの東側と西側に位置していることから、情勢認識や戦略的利益の点で多くの共通点があることに気付きます。

昨年12月には、日ノルウェー首脳会合が東京で開催され、「戦略的パートナーシップに関する共同声明」において、安全保障及び防衛分野における一層の協力推進が盛り込まれました。

力又は威圧による一方的な現状変更やその試みは欧州だけで起きているものではなく、インド太平洋地域でも見られます。特に、最近の我が国周辺における中国の軍事活動の状況は、極めて重大かつ深刻な問題です。

このような状況の中で、ノルウェーとの防衛協力が強化されていることは時宜にかなったものです。2025年には、英国空母打撃群に合わせて、ノルウェーからフリゲート艦をインド太平洋地域に初めて派遣されます。また、今回「防衛装備・技術協力に関する覚書」に署名がなされたことも重要な意義があります。

今回の防衛相会談では、日ノルウェー間の防衛協力・交流を促進していく事で一致しました。

防衛研究所入所式

防衛研究所「 安全保障戦略課程」入所式が行われました。選抜された研修員の皆さん、入所おめでとうございます!

この度、長らく続けてきた教育内容を見直し、我が国の安全保障戦略に関する知識を総合的に修得させることを目的とした「安全保障戦略課程」を新たに発足させました。今回の37名の研修員は、その記念すべき第一期生となります!

研修員の構成として、防衛省の事務官や自衛官のみならず、公安調査庁、海上保安庁の職員や、民間会社の社員、更に、フランス、インド、インドネシア、モンゴル、韓国、タイ、アメリカからの留学生といった、多様かつ優秀な人材を迎えることができました。

国際社会は、戦後最大の試練の時を迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入していると認識しており、わが国を取り巻く安全保障環境も戦後最も厳しく複雑なものとなっています。

研修員の皆さんには、軍事分野のみならず、政治、経済、科学技術など幅広い視野をもって諸問題に取り組んでいただきたく思います。そして、それぞれの所属組織におけるリーダーに相応しく、バランスの取れた知識と判断力を身に付けてもらいたく思います。

特に留学生の皆さんには、この課程で学ぶことを母国で活かしていただくとともに、母国と我が国との友好関係をより一層深めるための架け橋となることを強く望みます。

防衛研究所の職員には、37名全ての研修員が最高の成果を得ることができるよう、最善のサポートをお願いしました。