スポーツ立国

 

連日、北京五輪で盛り上がっています。テレビで日本代表選手団の活躍を見る度に手に汗をにぎります。

世界のスポーツ先進国は、国を挙げてトップスポーツ選手やコーチの育成・強化を進めています。しかし、残念ながら日本では、それを個人・競技団体・企業の努力に依存しています。スポーツにおける国家戦略というものがないからです。このままでは、国際大会における上位入賞者は右肩下がりを続けるでしょう。アマチュアスポーツだからそれで良いという人もいますが、それでは少し寂しい気がしませんか。

一方で、日本人の子どもの体力は依然として低落傾向にあります。また、子どもたちの問題行動の多発や、社会に衝撃を与える重大事件も続きます。このような時こそ、スポーツを通じて体力を向上させると同時に、連帯感や協調性、そしてルールを学び守ることで規範意識やフェアプレイの精神を育むなど豊かな人間形成を図ることが求められているのではないでしょうか。

自民党では、「スポーツ立国調査会」を設置し、スポーツを国の元気を生み出す源泉と位置付けました。『スポーツ立国』ニッポンの早期実現に向けて、スポーツ関する政策を大胆に洗い直し、新たに取り組むべき課題を強力に推進するため、このたび政策提言を発表しました。

そのポイントは、①競技力の向上に国を挙げて取り組む、②国際競技大会の招致に国として積極的に取り組む、③地域のスポーツ環境の整備を支援する、の3つの戦略です。具体的には、

        トップアスリートの競技力向上のため、選手強化活動への支援を充実させることやナショナルコーチ制度を創設することなど、国立スポーツ施設の計画的な整備と機能強化、国際的に信頼されるドーピング防止活動の促進、スポーツ顕彰制度などの検討。

        国による財政面での保証など国際競技大会の開催に対する支援や、スポーツ外交の強化、オリンピズムの促進。

        全国体力・運動能力調査の実施・活用や、体育専科教員の計画的な配置の促進など学校におけるスポーツ環境の充実、総合型地域スポーツクラブの育成や活動拠点の整備など地域におけるスポーツ環境の充実、優れた才能をもつ人材を育成する取り組みの促進、企業スポーツの振興やスポーツ産業の推進など民間のスポーツ活動への支援。

  これらの戦略を実現するに当たっては、新たなスポーツ振興の理念と責任体制等を明らかにした上で、国民総意の下に取り組む必要があります。また、スポーツ予算を拡充させるとともに、推進体制を整備強化することが不可欠です。このため、現行のスポーツ振興法を抜本的に見直し、「新スポーツ法」を制定することや、スポーツ関連行政を一元的に推進する体制を整備するため、「スポーツ省(庁)」の設置に取り組んで参ります。