無利子国債

 「政府紙幣・無利子国債(相続税減免措置付き)発行を検討する議員連盟」第二回勉強会に出席。BNPパリバ証券会社投資調査本部長チーフストラテジスト島本幸治氏を招いて、当面の経済展望と政策対応について、主に無利子国債の功罪について議論をしました。議論の内容は以下の通りです。島本氏は政府紙幣の発行には慎重派でした。

<メリット>

新たな財源確保:相続税を抑えることが出来るために、家計部門による国債購入を促すことが可能。また、利子を付さないため、国債費に負担をかけない。

・アングラー・マネーが表に出る:所得課税を脱税し秘匿されている資金や、違法活動で得られた資金により購入されれば、これらの資金が表面化する効果も期待される。

国民のグッド・イメージ:新鮮味のある政策を打ち出すことで、冷え込んでいる国民のマインドに活を入れる効果も。

<問題点>

購入原資が定かでない:家計部門の「タンス預金」の規模は30兆円に留まる。また、アングラ・マネーによる購入を認めると、同資金の存在を認めることになるのでは。

金持ち優遇との批判:フランスでは戦費調達のために1950年代に相続税を免除する「ピネー国債」が発行されたが、金持ち優遇批判や税収減少を理由に、免税特典のない国債に強制転換された事例あり。

市場のバッド・イメージ:相続税収の減少や政府債務の増加により、国家財政に対する信頼が金融市場で損なわれる。また、国債の種類が増えることで煩雑になる。