それでも改革の火は消せない

 帰熊。医師・歯科医師の団体と2時間にわたり懇談を行いました。日本の医療制度は限界に近いという話。確かに、日本の医療費は対GDP比8.2%程度でOECD加盟国30か国中21位と低レベルです。GDPが大きいので、この数字をもって一概に医療水準が低いとは言えませんが、医療従事者の献身的な努力(特に勤務医)によって高水準の医療が支えられ、世界有数の長寿国になったのは確かです。現在の医療費は年間33兆円です(平成21年度一般予算は88兆円)。「骨太の方針2006」以降、毎年2,200億円づつ削られている現状。

 政府は医療費だけでなく、公共事業や地方交付金など全分野において歳出削減を行うことで、借金を減らし財政健全化を目指しています。次世代が背負う借金を少なくして、持続可能な日本に立て直すことが「痛みを伴なう改革」の目的です。債務超過で財政破綻国家になることは避けたいのです。「今さえ良ければ、自分さえ良ければ・・・」国民はそんな考えは止めると決めたはずです。とにかく、行政と国会は徹底的に無駄を省くことを頑張らなければなりません。そして、国民の皆様にもう少しだけ我慢していただくことをお願いしなければなりません。我々も覚悟を決めます。

 経済不況の為、今回、政府は思い切った財政出動を行います。そして、あらゆる分野での歳出削減路線を一時凍結する判断をしました。業界によってはホッと一息つける状態かもしれません。それでも私は、これからも勇気を持って改革(徹底して無駄を省き、必要な分野を精査して集中投資)を継続していくことを訴えて参ります。

  水俣病犠牲者慰霊式に出席