西川社長辞任について

政府は日本郵政の西川善文社長を無理矢理に辞任させたようですが、これは間違いだったと思います。既に日本郵政は民間会社になっています。黒字を出して税金を納めている優良企業です。国が民間企業経営に介入し過ぎる事がよくない事は、JALの現状をみても明らかです。郵便局で郵便・貯金・保険のサービスを一体的に受けることや、山間地域などでサービスが低下しないようにすることは必要なのでやるべきでしょう。しかし、日本郵政関連株の売却凍結には反対。結局は政府の顔色をうかがう萎縮した企業になるからです(JALと同じ)。やはり最終的には完全民営化が望ましい。JR・電話・電気・ガスと同じように、公共サービス業だって必ず民間経営でやっていけるはずです。

郵政民営化事業を象徴に小泉路線の構造改革がすべて失敗だったような話になっています。本来、構造改革論は官から民へという言葉が示す通り行政の効率化であり、官による行政の無駄を排し民間の知恵によって効率よく経営してもらうということでした。市場原理主義によって行き過ぎた部分があったにせよ、大きな方向性としては間違っていなかったと私は思います。

西川社長は民間の銀行マン出身です。時の政府が要請して郵政民営化の手伝いをしてもらったのです。政権が変わって路線転換するとしても、それは西川社長の失策ではありません。辞めていただくとしても、これまでの実績に最大の敬意を払うべきであり、総理大臣が「本来早く辞めるべきだ」などと発言するのは日本の民間企業経営者に対して非礼極まりないことです。

 とにかく、西川社長には大変ご苦労様でしたと申し上げます

 

【写真左】お茶会にて                【写真右】倫理法人会セミナーでスピーチ