中国人船長釈放の舞台裏(3)

 

チャーター機で帰国を果たした中国人船長は笑顔で勝利の「Vサイン」です。

 

中国政府は尖閣諸島に向けて勝手に抗議行動の船を出す漁船を厳罰に処していましたから、今回の衝突事件が中国政府の指示だったことは、船長が帰国した際に共産党幹部が出迎えたことから明らかです。

 

予想通り、中国は日本政府に対して公式に謝罪と賠償請求を要求してきました。尖閣諸島の帰属は中国にあると認めろというのです。日本も窮地に追い込まれました。尖閣諸島が日本の領土ならば、領海侵犯した中国人船長を処分保留で釈放するのは何故かと問われた時に答えることができません。

 

命を顧みず中国人逮捕に踏み切った海上保安官は悔しいでしょう。

また、現場で連日の取り調べをしていた検事も同じ思いでしょう。

 

韓国の海域でも、中国船拿捕事件は頻繁に発生しています。その数4年間で2000隻以上、身柄拘留は2万人以上です。その度に韓国政府は中国政府から保釈金を支払わせたうえで釈放しています。

 

日本の場合、処分保留で「無条件降伏」。これが民主党のいう「政治主導」というものでしょうか。世界各国首脳から冷笑されているに違いありません。

 

また、政府は証拠ビデオを公開するのでしょうか。

おそらく政権が変わらない限り公開できないでしょう。こんなにひどいことをした「漁船」の船長を、処分保留で釈放したという事実が際立ってしまいます。世論に耐えることは出来ないからです。国民はようやく「オープンな政治」は嘘だったと理解するようになります。

 

日本と同じく領海侵犯に悩むインドネシアやマレーシアなど東南アジア諸国と連携して国際世論を構築し、経済的にはインドやブラジルの市場へシフトしながら、中国に依存することなく逆に封じ込めていく体制を構築しておくべきでした。

 

軍事的には尖閣諸島に駐屯地を作るか日米共同演習場を設けるのも一案です。ヘリポートならすぐにでも造れます。

 

おかしなことに民主党議員の中から検察への反発の声が聞こえますね。

明らかにパフォーマンスにしか映りません。何故なら、沖縄政策「沖縄ビジョン」を容認した政党に所属しているうえに、総理の掲げる「412人内閣」の一員であるからです。

 

(つづく)

 

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