【次期戦闘機計画】後手後手な対応

 

次期戦闘機(FX)をなぜ早く導入できないのか?

それには二つの理由があります。

 

ひとつは米国の政権交代。

オバマ大統領は、日本が期待していたF-Xの最有力候補であるF-22を輸出しない決断を下しました。F-Xの選定作業は振り出しに戻りました。

 

もうひとつは日本の政権交代。

安全保障の憲法である「防衛計画の大綱(防衛大綱)」改訂が平成22年末までに一年間先送りされたことです。大綱が決まらないと購入計画もできません。

 

政権交代時点で、民主党内に「防衛大綱・自民党案」への対案は存在しませんでした。にもかかわらず、自民党案は「自民党案だから」という理由ですべて廃棄されてしまいました。普天間基地移設と同じで、真面目に国益を考えれば、自民党案と同じ結論になると思います。

 

現政権は国を守ろうとしているのか、国を売ろうとしているのか、判らないときがあります。率直に言って大変不安に感じます。

 

いずれにしても、自民党政権時代のF-X計画は平成21年度末までに機種選定を終えて、7機の取得予算を計上することになっていましたが、政権交代により平成22年度の防衛予算では購入経費は計上されませんでした。

 

また、平成228月にまとめられた平成23年度予算の概算要求にも購入経費を盛り込んでありませんでした。

 

さらに、メーカー各社へ提案を求める提案要求書を出す締め切りが平成225月頃だったのですが、残念ながら実現していません。

そこにきて、鳩山内閣における普天間飛行場移設問題への対応の不手際によって日米同盟が脆弱なものになり、日本でのF-X計画は暗礁に乗り上げています。

 

一方で、ロシアでは「スホーイI-21」の初飛行を成功させ、中国は「殲撃10型」を実戦配備し、韓国は「F-15K」の導入を進めています。

防衛省はFX計画が遅れた状態にある事を懸命に訴えていますが、官邸や民主党はどれほど認識しているでしょうか。

 

日本の空が危険な状態にあることを忠告しておきます。

 

(おわり)

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