「復興税」という名目の消費税増税が公然と議論され始めました。これには大変な違和感を覚えます。
恒常的に増えていく医療や介護など社会保障の目的税として、将来的に消費税を上げることは否定しません。
しかし震災復興の財源を消費税に求めることには以下の理由で反対です。
- 震災復興は恒常的なものではない
- 復興必要財源の総額が見えてこない
- 既に国民の消費活動が萎縮している
- 製造業を中心に国民所得が低下する
- 「バラマキ4K」など無駄な政策を撤回してない
まずは緊急に第一次補正予算です。残念ながら無駄の多い今年度予算は既に走り始めているので、復興財源を確保するのは限界がありますが、今からでもこれぐらいは捻出できます。
- 子ども手当は6月以降廃止し、児童手当に戻す 1.3兆円
- 高速道路無料化社会実験を撤回する 0.12兆円
- 農家戸別所得補償制度を見直す 0.1兆円
- 周辺地域整備活動を活用する 0.05兆円
- 経済予備費による調整 0.8兆円
足りない部分は「復興再生債」(仮称)を発行するべきです。募金や寄付もいいですが、日本国民は国債を買うことで被災地との連帯を示してほしいと思います。
国債の発行については、将来世代へのツケとして批判も多いでしょうが、日本銀行の引き受け(量的緩和)や赤字国債と別会計にする(早期償還)など、工夫することを恐れてはなりません。
国家財政をバランスシートで見れば、日本の純資産(海外への債権)は世界最大の約250兆円あります。この金融資産を裏付けにすれば、国債の信用を落とすこともなく消化も十分可能です。
何よりも製造業や輸出産業の国際競争力を高め、国民の消費活動を活発にして税収を上げていくことが、長期的な戦略として正しいのではないでしょうか。
【写真】高校同窓会が母校体育館に千玄室氏(茶道裏千家大宗匠)を招いてセミナーを開催。演題『しっかりしよう日本』素晴しい講演でした。