本末転倒なシナリオ研究

産経新聞(平成23年5月9日)の記事によると、防衛省は自衛隊の警戒監視・機動展開態勢などの強化策を検討するにあたり、沖縄県・尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成しているそうです。

(1)偽装漁民が不法上陸

  • 漁民を装った中国の海上民兵が尖閣諸島に上陸後、中国は「漁船が難破した」と主張。
  •  沖縄県警の警察官が尖閣に乗り込み、入管難民法違反の現行犯で逮捕。海上保安庁の巡視船も周辺海域に展開する。

(2)海上警備行動で自衛隊出動

  • 中国はこれに対抗して国家海洋局の海洋調査船「海監」を派遣。
  • 海監は大型・高速化が進み、海保の巡視船では排除できないと判断し、海上警備行動発令により海上自衛隊の艦艇や航空機が出動する。
  • これに中国は「日本が不当な軍事行動を仕掛けてきた」と国際社会にアピールする。

(3)南西諸島に武力攻撃

  • 中国が海軍艦艇を投入する。
  • 海自艦艇などは武力衝突に発展するのを恐れ海域を離脱。警察官も撤収する。
  • 間隙を突くように中国は米空母の介入を防ぐため宮古島や石垣島に武力侵攻する。
  • この段階に至り防衛出動を発令、海・空自の艦艇や航空機を集結させ、米軍も展開する。陸自部隊は奪還作戦に入る。

防衛省は、このシナリオに沿って6月までに陸海空3自衛隊の態勢を見直すそうです。そして、平成24年度予算案の概算要求に反映させるとの事です。

今頃、何を寝ぼけたことを言っているのでしょうか。

まず、シナリオ研究で課題を洗い出し、保有すべき防衛力を算出したのではなかったのか。しかも、尖閣諸島沖中国船衝突事件は平成22年9月7日。平成22年12月7日に発表した新「防衛計画の大綱」にどうして反映できなかったか。

今更、シナリオ研究とは本末転倒です。

現在の「防衛計画の大綱」では、我が国を守れないことが判明しました。防衛省は「大綱」の策定根拠はなかったと認めたも同然です。

「基盤的防衛力」から「動的防衛力」への転換を目指しているようですが、「動的防衛力」の実効性すら担保されていなかったわけです。

安全保障の専門家不在の鳩山内閣が米軍普天間飛行場移設問題に右往左往し、危うい政治主導のもと「大綱」の検討がいい加減なものになったからです。

こうしている間も、中国に遠慮はありません。

衛隊の艦艇に航空機やヘリを異常接近させることを繰り返しています。上海沖では軍事演習も実施しました。さらに今年6月17日には、中国漁船が大挙して尖閣諸島付近に展開する計画は周知です。

ず、現在の「防衛計画の大綱」は一日も早く廃止して、実効性のあるものに再策定すべきです。しかし、残念ながら民主党内は政局争いばかり。もちろん官邸や政務三役にその能力はありません。

【写真】選挙戦を振り返る(1)

 

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