スパイ防止法制定を急げ③

1993年にある中国人が初来日。松下政経塾などで人脈を築き、2007年に在日中国大使館の書記官として赴任した。捜査当局によると、書記官は外国人登録証を不正取得し、ウィーン条約が禁じる商業活動を行なっていたことが発覚。農林水産省の機密文書が漏洩していたことも明らかになり、中国人書記官は逮捕。

(民主党の鹿野道彦農水大臣と筒井信隆農水副大臣の関与が疑われたが、本人達は関与を否定。内閣改造で二人揃って静かに交代させられている)

警察庁発行2009年版「治安の回顧と展望」では、中国の対日スパイ活動について、科学技術の先端企業や防衛関連企業などに研究者や留学生を派遣し「長期間にわたって巧妙かつ多様な手段で先端科学技術の情報活動を行なっている」と警告していた。

具体的には、防衛庁(当時)技術研究本部の元技官が潜水艦に関する資料を持ち出し書類送検された事件。元技官は中国大使館関係者に資料を渡していたことも確認されている。

また、デンソーに入社した中国人技師が、産業用ロボットやディーゼル噴射装置など同社の機密を盗み出し逮捕された事件も記憶に新しい。その中国人技師は現在、中国共産党人民解放軍のミサイル・ロケット開発部門で働いている。

米国家諜報局の報告書によると、中国は西側の科学技術を入手するために約4000の情報収集団体を組織している。1986年に「プロジェクト863」を立案、1991年には「西側軍事科学技術の収集利用に関する計画」を作成している。現在我が国では多くの中国人スパイが活動し作戦が遂行されていることになる。

(つづく)