北朝鮮への制裁強化ならず

北朝鮮は、今年に入り既に16回に及ぶ弾道ミサイル等の発射を行なっている。極めて高い頻度で、かつ新たな態様で発射を繰り返す北朝鮮の行動は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できない。また、日米首脳会談やQUADが開催された直後のミサイル発射は、明らかな挑発行動である。

国際社会の平和と安全を脅かすものであるとして、国連「安全保障理事会(安保理)」は北朝鮮への制裁を強化する決議案の採決を試みたが、中国とロシアが常任理事国として持つ拒否権を行使し否決してしまった。

自民党は、既に国連改革に関する「第一次提言」を発出し、安保理が世界の平和と安全の主要な責任を果たせるよう、常任・非常任理事国の拡大を含む安保理改革を求めている。

今回、北朝鮮の明らかな暴挙に対して国際社会が強い懸念を示していたにもかかわらず、拒否権が行使されたことは、世界平和を希求する国連の根本的な矛盾であり、安保理が機能不全に陥っていることの証左である。

国連は安保理常任理事国の選任や決議の在り方などを抜本的に見直し、喫緊の課題に対して的確に対処できる体制を整える必要がある。また、すでに死文化している日本の「旧敵国条項」は国連憲章から速やかに削除すべきであろう。

宇都隆史(ウトタカシ)参議院議員の国政報告会にて