陸上自衛隊化学学校(大宮駐屯地)は、世界的な化学兵器の全面禁止及び不拡散のための活動を行う機関であるOPCW(Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons)の指定ラボに認証されました。
本日は記念する式典に防衛大臣として出席し、化学学校の隊員を激励しました。
振り返ると、平成に入ってから地下鉄サリン事件や東海村JCO臨界事故が発生し、自衛隊の化学科部隊は注目を集めましたが、近年、化学兵器使用禁止という国際的規範が重圧にさらされている中、化学兵器が二度と使用されないようにするための国際社会の努力が続けられており、その重要性は一層増していると考えています。
化学学校は、化学防護に関する教育訓練や調査研究を専門的に実施する国内唯一の機関として、化学兵器への対処能力の向上に努めてきました。今回のラボ指定により、今後、新たな分析施設の建設といった機能強化を図るほか、OPCWから最新の化学兵器関連情報も入手できることで、分析・立証に係る知見・能力を高めることができるようになります。
我が国を取り巻く安全保障環境を改善する観点からも、化学兵器や生物兵器の軍備管理・軍縮・不拡散について、関係国や国際機関と協力しつつ取組みを推進するとともに、防衛省・自衛隊の知見を活かし、国際的な取組の実効性の向上にも協力していくことは非常に重要です。