国会審議を聞いていると政府与党は政治主導を掲げ、「自民党は官僚のいいなりだった」と決め付けています。本当でしょうか。私の経験から感想を述べます。
各省庁が予算編成や税制をはじめ政策を決定したい時に、官僚が党や議員に了解を求めてきます。これに対し、精査をせずに無条件で承諾することは決してありませんでした。
あまり知られていませんが、自民党では法案に対し部会や総務会などで相当激しい議論のやりとりをしています。
確かに反省すべき点はあります。党内手続きにおいて、議論が形骸化・硬直化する事がありました。いわゆる「族議員」が頑張りすぎた場合です。
また、部会が多いので全部に参加することは物理的に不可能です。そこに専門分野(族議員)ができてしまい、彼らによっていつの間にか了承されてしまっていたケースもありました。
しかし、私は族議員を否定しません。行政を指導する上でも専門分野を持った議員は必要だからです。部会には誰でも出席・発言できることが重要です。最終的にすべての法案は各部会と総務会の承認を得るシステムは健在でなければなりません。
部会では当選回数にかかわりなく挙手の順に発言を許され、全員が発言するまで終わりません。自由闊達な議論が展開される風通しの良さは、自民党の誇る慣行だと思います。
(つづく)