会社員の頃、初めて出張で訪れたフランスでの話です。
パリのカフェで軽食とコーヒーを注文した時のこと。
水が出てこないので、通りかかったウェイターに頼んで持ってきてもらいました。店の外に出る時に請求書を見ると、その水の値段も請求されていました。
しかも、軽食やコーヒーより水が一番高い!
その時は「フランスには二度と来ない」とさえ思いました(苦笑)。
諸外国に出張に行きましたが、水道の蛇口から水が普通に飲めるのは日本だけでした。
まれに飲める場合には必ず「この水は飲むことができます(DRINKABLE)」と丁寧に書いてあります。裏を返せば蛇口の水は飲めないことが当たり前だということです。
さらに熊本市では蛇口をひねるとミネラル豊富な地下水が出てきます。
この水で車を洗い、トイレで流す・・・。
こんな贅沢なことはありません。
一方で、日本は世界最大の水輸入国でもあります(統計にはありませんが)。
食料の多くを海外に依存する日本は、肉や野菜や加工品を大量に輸入しています。海外でそれらを生産・製造する過程で必要とした水を、間接的に輸入していることになるのです。
例えば、牛肉1キロにかかる水は20トンといわれています。
「水と平和はただ」と思っている日本人が多いのではないでしょうか。
日本のように何処にでも水のある国は、乾燥した国がどんなに大変か想像がつきません。水は命の糧ですがその認識もあまりありません。
今後も世界の人口は増え続けています。
これからの10年で、とくに中国国内の水事情や東南アジアの水資源の欠乏は深刻化していくことが予想されます。
天然資源に乏しい日本です。
「水資源」を国家戦略の重要なひとつとして位置づけるべきです。
気がついたら、日本の山脈が他国の所有になってしまって、日本人が日本の水を飲めない事態になることだけは避けなければなりません。
【写真】第2・4金曜日20:05〜 FM79.1「熊本天国」に出演中。