日本外交の特異性(2)

 

3.「過度な人命尊重指向」

 

  国際間トラブルが発生した場合、犠牲者を出さずに問題を処理しようと考えます。

 

  サマーワ派遣、インド洋派遣などの国際貢献において、自衛官1名でも死者が出ようものなら即中止の世論が形成されたでしょう。

 

  一方で北朝鮮拉致被害者について無関心なのは何故か。それは、1人の命を救うために別の命を失う可能性を受け入れられないからです。

 

  米国の場合、北朝鮮によりアメリカ人ジャーナリスト2名が拉致された際、クリントン元大統領が北朝鮮を電撃訪問し連れて帰りました。

  もしクリントンに危害を加えたり、アメリカ人を解放しなかった場合には、米軍が即座に全力で報復を行うことを伝えてありました。

 

  日本の場合「人命は地球より重い(福田赳夫首相)」ですが、

  国際社会では「人命は地球より重いが、主権はもっと重い」のです。

 

 

日本の外交問題への取り組みは潜在的に弱腰で、他国から特異に思われています。

冒頭に書いたように、これは外務省だけのせいでなく、戦後の日本人の考え方の問題だと分析できます。

 

 国民の考え方が変われば、世論が変わる。

 世論が変われば、選挙で選ばれる議員が変わる。

 議員が変われば、外務省も官僚も変わる。

 

まず変わらなければならないのは、「国民の外交への意識」それ自体ではないでしょうか。

 

(おわり)

 

【写真】勉強会で日本の外交問題を語る。

 

 

 

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