日本の社会保障費は平成22年度の一般会計で27.3兆円です。その多くは年金、医療、介護に使われており、いわば「固定費」です。
今後、社会保障費は毎年1兆円づつ増えていきます。現在の40兆円に満たない税収では、わが国の財政はやっていけません。
自民党は麻生政権時に「中期プログラム」をまとめ、経済状況の好転を前提に平成23年度から消費税の引き上げを含む税制の抜本改革を実施することを明記しました。
また、今夏の参議院選挙では、「当面10%」の消費税率の引き上げを掲げて勝利しました。一方で、菅総理も「10%」を提案したものの、民主党内で選挙に不利になるとの圧力に屈し撤回してしまいました。
一言でいえば、現在の民主党は「無責任」です。自民党は財源の裏づけ無しに無責任なことは言わないように決断したのです。そこが現在の自民党と民主党との違いではないでしょうか。
消費税率を上げて財政を安定させて社会保障を強化します。また枯渇している年金財政も持続可能なものにします。将来不安がなくなれば、現役世代もお年寄りも安心して、貯蓄を消費に回します。景気の好循環の始まりです。
もちろん消費税率の引き上げと同時並行して、成長戦略をつくって増収を図るビジョンを描き、絶え間なく行政の無駄遣いをチェックしなければなりません。
選挙の時にバラ色の政策だけを掲げるのは楽ですが、政権を取った瞬間に嘘つきになり下がります。有権者は、政党や候補者が責任ある政策を訴えているかどうかで判断していただきたい。日本の行く末を左右するのは政治家ではなく、一義的には有権者であるという意識を持たねばなりません。
【写真】謡曲の発表会で挨拶をさせていただきました。