日米教科書事情

米国の小学校の授業を参観したことがあります。教科書が充実していることに驚かされました。

まず日本の教科書よりサイズが大きく重たい。表紙はハードカバーでページ数も多いために分厚い。内容は写真やイラストを多用して読みやすい。

最も大きな違いは、個人の所有ではないので教室に置いたままにされること。生徒が家と学校を持ち運ぶことを想定していません。改訂されるまで何年も使われます。

かたや日本の小学校の教科書は薄い。今は修正されつつある「ゆとり教育」の影響もありましたが、家庭と学校を持ち運びできることが前提なので分厚くできません。内容の充実に限界があるのがデメリットです。そのかわり、学校でも家でも学習塾でも自分の教科書で勉強することができるというメリットはあります。書き込みも自由です。

今、全米の小学校の現場でアップル社の「iPad」を活用しようとする動きが活発になっているそうです。教科書を電子書籍化して、iPadの大きな画面を家で見られるようにするというのです。すべての生徒が電子書籍化した充実した内容の教科書を使って自宅で勉強できるようになります。

さて、日本の教科書はどうすべきでしょうか。

日本の小学校の教科書も、内容を充実させた上で持ち運びが便利なように電子化するべきでしょうか。従来のように、薄くても直接教科書に触れて自筆で書き込みをしながら勉強するというオーソドックスなスタイルのままがよいでしょうか。

子供にとって指先の刺激が脳に与える影響や、書くことと覚えることの関連性など、科学的な検証を待ちたいと思います。

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