ため池

ため池と言われる池があります。その数、全国に約20万箇所!

主に農業用水を供給する施設として江戸時代以前に西日本を中心に築造されました。中でも瀬戸内地域は年間を通じて降雨量が少ないことから、全国の6割が集中しています。熊本県には2,158箇所あります。幼少の頃は夏に泳いだり水遊びをしたものです。東京赤坂の議員宿舎の近くにも「溜池」という地名がありますね。

ところが、近年、台風による豪雨や大規模な地震により、ため池が被災するケースが多発しています。元来、築造時期が明らかでなく管理責任も不明確な施設が多い上、権利者の世代交代が進み権利関係が不明確かつ複雑になっていました。加えて、離農者の多発や農家の高齢化が原因で利用者を主体とする管理組織が弱体化し、日常の維持管理が適正に行われていない危険なまま放置されている施設も増えていました。

このような状況を踏まえて、今国会で【農業用ため池の管理及び保全に関する法律案】を成立させる所存です。農業用に資するため池(農業用ため池)については、農業用水の供給機能の確保を図りながら、所有者や管理者の責任を明らかにします。

そして、行政機関の役割を明確にします。頻発する自然災害時においても決壊による被害を防止する観点から、防災上重要な農業用ため池を指定し(特定農業用ため池)、自治体が必要な防災工事の施行を命ずることができるようにします。

また、最近は「所有者不明土地」が注目を集めていますが、特定農業用ため池についても所有者不明で適正な管理が困難と判断した時には、市町村が管理権を取得できる保全管理制度を創設します。