第24回新型コロナウイルス感染症対策本部

新型コロナ特措法に規定する「基本的対処方針」を決定しました。これは国や地方公共団体、医療関係者、事業者、そして国民が一丸となって対策を更に進めていくため、準拠すべき統一的な指針となるものです。

《新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針》

https://www.cas.go.jp/jp/influenza/kihon_h.pdf

●全般的な方針
○情報の提供・共有及びまん延防止策により、各地域においてクラスター等の封じ込め及び感染者との接触機会の低減を図り、感染拡大の速度を抑制する。
○サーベイランス・情報収集及び適切な医療の提供により、高齢者等を守り、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるべく万全を尽くす。
○的確なまん延防止策及び経済・雇用対策により、社会・経済機能への影響を最小限にとどめる。

それぞれの事項について専門的な知見を十分に踏まえつつ、実効性のある方策がまとめられています。今がまさに国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期であり、本対処方針を着実かつ迅速に実行し、政府一丸となって対応に全力を挙げてまいります。

また、世界全体で経済活動が縮小しており、我が国経済にも甚大な影響を及ぼしています。日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させていくために見合うだけの強大な経済政策を打っていかなければなりません。26兆円の「総合経済対策」等に加えて、新たに補正予算を編成し、前例にとらわれることなく思い切った措置を、財政・金融・税制を総動員して講じます。

●対策の柱
○第1に「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」です。足元の感染拡大への対応として、感染の連鎖を断ち切るためのクラスター対策を抜本的に強化するなど感染拡大防止策をさらに充実するとともに、感染者の急増に備え、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を早急に進めます。また、治療薬・ワクチン等の研究開発も、最優先の課題として位置づけ、その開発を一気に加速します。
○第2に「雇用の維持と事業の継続」です。フリーランスを含め、様々な形態で働く方々の雇用や生活を維持するとともに、中小・小規模事業者や個人事業主の方々が継続して事業に取り組めるよう、民間金融機関でも無利子の制度融資を受けることができる制度を整えるとともに、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者等に対して、事業を持続するための新たな給付金制度を創設します。あわせて、新型コロナウイルスの影響を受け、休業等により収入が減少し、生活に困っている世帯に対し、生計維持のために必要な資金を迅速に交付する新しい給付金制度を創設します。
○第3に「次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復」です。今回の感染症の流行収束を見据え、甚大な影響を受けている観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント事業を対象として、日本国内における人の流れと街のにぎわいを作り出し、地域を再活性化するため、官民一体型のキャンペーンとして大規模な支援策を展開します。その際、東京2020オリンピック・パラリンピック大会の延期を踏まえ、この支援策を一層強化するとともに、雇用対策や資金繰り対策に更に万全を期してまいります。
○第4に「強靭な経済構造の構築」です。生産拠点の国内回帰支援等のサプライチェーン対策や海外展開企業の事業の円滑化、テレワーク・遠隔教育などICT等の活用による経済の強靭化・効率化を強力に進め、感染症に対して強靭な経済構造を構築します。その際、公共投資の早期執行により景気の下支えに万全を期します。
○第5に「今後への備え」です。新型コロナウイルス感染症対策に関する予備費を創設し、感染の状況や経済動向を踏まえ、必要な対策を躊躇なく講じていくための十二分の備えを整えます。

この5本柱からなる緊急経済対策について、今後10日程度のうちに取りまとめ、その後、速やかに補正予算を国会に提出します。