令和6年度 統合防災演習

防衛省災害対策本部会議を開催し、昨日から行われている「統合防災演習(JXR)」の状況を確認しました。

能登半島地震への対応については、災害派遣が継続中であり、今も現地で頑張ってくれている隊員を誇りに思います。

本演習は、昨年5月に策定された「日本海溝・千島海溝沖地震」の政府具体計画を踏まえ、防災関係機関、米軍、豪軍の参加を得て、陸海空の三自衛隊で実施する最大規模の指揮所演習です。

近年、頻発化、激甚化する大規模自然災害への対処能力の向上は急務です。本演習は、①統合作戦司令官の設置後における、②北海道という地理的な特性を有した、③厳冬期の活動であることを想定した初めての統合演習です。

今日の防衛省災害対策本部では、自衛隊の活動方針を決定し、認識の統一を図りました。防衛省・自衛隊が、今後とも各種の災害対応に対して万全を期するためにも、今回の統合防災演習に全力で取り組みます。

スターリンクを導入

遠洋練習航海部隊の壮行会を主催しました。

約180日間の遠洋練習航海に旅立つ実習幹部の自信と希望に満ち溢れた姿に接し、大変頼もしく感じました。練習艦「かしま」と「しまかぜ」による航海を通じて、海上自衛官としての技能を磨くとともに、11か国を訪問する中で見聞を広げ、更に成長した姿で帰国することを期待しています。

初めての試みとして、遠洋航海中も私物のスマートフォンを使えるよう、衛星インターネットサービス「スターリンク」の試験を始めます。休憩時間にスマホやタブレット端末で、メールはもちろん、動画配信サービスなども利用できることになります。今回の遠洋練習航海で検証し、3年後を目途にほぼ全ての艦艇への搭載を目指します。

これにより大幅な職場環境の改善につながるでしょう。海上自衛官の志願者増につながることを期待しています。

令和6年春の叙勲及び褒章伝達式

天皇陛下から賜りました勲章及び褒章を、受章者である退職自衛隊員に伝達しました。

この度の受章は、永年にわたり我が国の防衛に貢献してこられた方々のご功績が認められたものであり、誠に喜ばしいことです。心よりお慶び申し上げます。

防衛省・自衛隊という実力組織の基盤をなすものは「人」です。自衛隊が我が国の平和と安全を守り、また、国際平和に協力するという多岐にわたる任務を整然と遂行できるのも、ひとえに受章者お一人お一人の永年にわたる御献身の賜物です。防衛省・自衛隊を代表して深く感謝申し上げます。

また、現職時代を支え続けてこられたご家族のご苦労やご尽力があったからこそであると存じます。ご家族の皆様に対しても、心からの敬意と感謝の意を表します。

受章者並びにご家族ともども、これからのご健勝とご多幸をお祈りいたします。

フィリピンとバイ会談を実施

外交でよく使われる用語として「バイ」と「マルチ」があります。「バイ」とはバイラテラル(bilateral)の略で、二国間という意味、「マルチ」とはマルチラテラル(multilateral)の略で、多国間という意味です。

昨日(5月2日)実施された日・米・豪防衛相会談や日・米・豪・比防衛相会談は、3カ国と4か国での会談ですので、いづれもマルチ会談となります。

本日(5月3日)はフィリピンのテオドロ国防大臣との間でバイ会談を実施しました。会談では、南シナ海情勢を含む地域情勢について意見を交わしました。こうした中で、私とテオドロ大臣は、自由で開かれたインド太平洋を実現していくことが重要との考えを再確認しました。

また、二国間協力については、移動式警戒管制レーダーの移転といった日比間の安全保障面での協力が近年進展していることを歓迎するとともに、今後も様々な分野で両国間の防衛協力・交流を進めていくことで一致しました。

昨年11月に交渉を発表したRAA(日比円滑化協定)については、その早期の妥結に向けて両国が一層連携していくことで一致しました。

わが国としては、引き続きフィリピンとの二国間及び日本とフィリピンを含む多国間での防衛協力を一層深めていきたいと考えています。

日米豪比防衛相、初の共同記者会見

日本・米国・オーストラリア・フィリピン各国の防衛相による会談を実施しました。

インド太平洋地域の平和と安定を維持していくために、同盟国・同志国等との協力・連携を示すことは極めて重要であり、わが国としては、いかなる地域でも法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することが重要であると考えています。

特に、東シナ海や南シナ海をめぐる問題は、地域の平和と安定に直結する日米豪比を含む国際社会の正当な関心事項です。我々4か国は、力による一方的な現状変更やその試み、そして緊張を高めるいかなる行為にも強く反対します。

我々は平和で安定したインド太平洋地域の礎である「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを共有する全ての国とともにあります。今回、日米豪比の4か国による初の共同記者会見が実現できたことは非常に意義の大きいことでした。

今後も日米豪比の4か国での連携を強化し、インド太平洋地域の平和と安定の確保のために全力で取り組んでいく決意です。米国オースティン長官、豪州マールズ国防大臣、比国テオドロ国防大臣、そして本会合の開催に尽力された各国関係者の皆様に感謝申し上げます。