平成の不平等条約

TPP参加の是非について、「平成の開国」と言う推進派の方々がいます。

江戸時代末期の1858年(安政5年)に日米修好通商条約を結ぶことで日本は開国しました。しかし、その内容は徳川幕府がハリスの威嚇に屈した結果、日本に関税自主権がなく相手国に治外法権を認めるという極めて不平等なものでした。

この不平等条約を対等条約に改正しない限り、我が国は独立国家としての実質を欠く事になるので、その後の明治政府は必死になって条約改正に取り組みましたが、その歩みは困難を極めます。

今、外務大臣だった小村寿太郎に関する本を読んでいます。

昭和20年までの国民的英雄として日本人誰もが認める人物は乃木希典と東郷平八郎でした。両者は陸戦・海戦における最大の殊勲者です。しかし、国家民族の運命を決すべき戦争は戦闘行為だけでは解決しません。

政治において戦闘行為は最終手段であって、戦闘前後の外交もまた国益を賭けた争いであり、その大切さは言うまでもありません。日露戦争前後の政治外交において最も重要な働きをし明治後半期の日本外交を一身に担って立った第一人者こそ小村寿太郎でした。

その小村外相は各国との片務協定税率を全廃し、条約の片務的規定を改正していきます。米国に対する関税自主権の回復に成功したのは1911年(明治44年)のことでした。

関税自主権の回復には、幕末期も含めると半世紀以上(約53年)の日時と膨大な労力を費やしました。その間、日清・日露戦争に勝ち日本の実力を欧米に見せつけましたが、多くの血が流れました。独立国家として関税自主権という「主権」を回復することがどれほど困難であったか、我々は学ばねばなりません。

ISD条項を「知らなかった」野田総理。ラチェット規定の危険性も議論されていません。現時点でTPPは日本にとって明白な不平等条約だと断言します。米国の機嫌を損なわない為の「お土産」にしては失うものが大き過ぎます。

同じ誤ちを繰り返すのが人間。だから「賢者は歴史に学ぶ」と言われます。現在、TPP参加に向けた外交交渉に野田総理はどれほどの長期的戦略と覚悟を持って望んでいるのか推し量ることはできません。

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【写真】左:味噌天神宮(熊本市大江本町)、右:弓削神社(熊本市龍田町弓削)それぞれで大祭が行われました。

  

続・自治基本条例の怪

昨年末に「自治基本条例の怪」と称してシリーズでブログを書いたところ、多くの反響をいただきました。

自治基本条例の怪1 自治基本条例の怪2 自治基本条例の怪3

その後、自民党でも取り上げられ今年5月に、「『自治基本条例』に関するプロジェクトチーム」が発足し、3ヵ月にわたって有識者の意見を聞き、既に成立している182自治体の条例を検証し、疑問点をまとめています。

  • なぜ自治基本条例が必要か。地域の自治憲章ではいけないのか。
  • 条例は憲法や法律の枠内であるべきであり、地方自治体の裁量権の拡大と住民の自治意識を強調する余り、憲法や法律を逸脱していないか。
  • なぜ、これほど条例の構成がパターン化し、特殊な用語の使用が多いのか。どこかでマニュアルを準備して組織的に自治体に広げているのではないか。

そして、条例の基本理念や条例の位置付け、条文の文言に細心の注意を払わなければ、かえって住民自治の否定や議会や行政の軽視につながりかねないという結論に達しました。

いわゆる「自治基本条例」は、もともと1970年代の学生運動が盛んなころに法政大学の松下圭一教授が提唱していたものを、自治労や公益財団法人地方自治総合研究所などが中心になって1990年代に提言し、実際に2000年代に入り制定が推進されてきました。

現在182の自治体で制定されており、検討中の自治体を合わせると500を超えます。

今後、地方議会においては自治基本条例の制定に慎重さが求められると同時に、「プロ市民」ではない多くの住民の意見に耳を傾け、憲法の規定する地方自治の本旨に反することのないように幅広い論議を尽くすことを期待します。

【写真】新しいポスターが出来ました!

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「緊急事態基本法」を急げ!

平成16年5月20日に自民党・公明党・民主党の三党が合意した「緊急事態基本法(骨子)」があります。

この法律は「緊急事態時に、国が万全に措置を講じる責務を持ち、経済秩序の維持や公共の福祉確保のために、国民の権利を一時的に制約できるようにするもの」です。

この合意がなされた時期は、国際テロや北朝鮮によるミサイル・核兵器開発などに対する安全保障上の課題を解決するための有事法制整備の一貫として論じられていました。

選挙だけを考えれば、有権者に有利になる法律ではないので「先送り」されてそのままになっていました。選挙公約では「国民生活のための」法律が優先されます。

今思えば、「緊急事態基本法」が成立していれば、未熟な民主党政権であったとしても東日本大震災や原発事故に対してもっと適切に対応できていたと考えられます。残念でなりません。

国難においてはすべての情報を一元化し、適切な勧告や指示を出すための権限一元化が必須でした。今回は地震が原発事故が発生した後に、複数の対策本部や会議が立ち上がるという失態を犯してしまいます。また、「ボランティア担当大臣」や「計画停電担当大臣」など今考えると政治的パフォーマンスも甚だしい陳腐な行動を許してしまいました。

自民党政権時代から「難しい問題は先送りして考えない」という『事なかれ主義』が蔓延していた事は否めません。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」そんな愚かさを繰り返していることには猛省が必要です。

中国をはじめ周辺諸国の領有権を巡る行動は看過できる範疇を超えており従来の認識の転換が迫っています。また、東南海地震や南海地震等の大規模震災の可能性も否定できません。

一刻も早い「緊急事態基本法」の成立を求めます。

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【写真】保育園の運動会や「ちびっこ相撲大会」で元気な子供達に接しました!

 

TPPに関する米国の事情

どうして米国は日本にTPP加入を求めてくるのでしょうか。

それは米国の財政・経済事情を分析すれば分かってきます。

オバマは大統領選挙中に「私が大統領になったら年棒25万ドル以上の高額所得者に対する税率を引き上げ、富の再配分を行う」と、過去の候補者と違い社会主義的な内容の演説をしました。

高額所得者から多くの税金を取り上げ大きな政府を作り、低所得者の利益になる政策を約束たのです。

このため低所得者はこの演説に感化されて、多くの人々がオバマに投票しました。そしてオバマは大統領になり、圧倒的な支持率の下で公約通りの政策を実行することになります。

米国は「アメリカらしさ」を失いました。

米国が世界一の経済大国になれたのは、国民の人権と自由を大幅に認めて彼らに自由に経済活動を認め、高額所得者の税金を安くして小さな政府を作りコストを削減したことにあります。

もはや米国にかつての「アメリカン・ドリーム」は存在しません。

歴代の米国大統領は共和党だろうが民主党だろうが、この点を当然のように理解し推進してきました。オバマは米国政治の伝統的な手法を「CHANGE」させてしまったのです。

税収が上がらないままバラマキ政策を実行した結果、就任当時10兆ドルであった政府の累積赤字は、就任2年にして14兆ドルを突破しました。先般、国債がデフォルト(債務不履行)寸前になったのは記憶に新しいですね。さらに、失業率が10%台に突入寸前で、加えてインフレが進んでいます。

日本より遥かに悪い環境で、国民生活は大変厳しい状況です。米国の世論調査によると、オバマ大統領の支持率は30%台に落ち込み、「政府は誤った軌道の上を走っている」と答える人が70%を超えています。

さて、次期大統領選挙に勝つためにオバマに残された最後の方法は貿易により外貨を稼ぐ事です。

TPP加入予定国で圧倒的に貿易額が大きい国が米国と日本です。日本をTPPに加入させて、対日輸出によりジャパンマネーをしっかり取り込み、経済を活性化させなければ財政再建の道は閉ざされ、大統領選挙にも勝てないでしょう。

日本に加入してもらわないと意味がない。米国政府(オバマ政権)にはそんな事情があるのです。

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「反日・日本人」って?

藤原惺窩(ふじわらせいか)をご存知でしょうか。

戦国時代から江戸時代初期に活動した、日本で初めての儒教専門学者として高等学校の日本史教科書に登場します。

惺窩は、今で言うところの「反日・日本人」の先駆者です。

儒教を学び「儒学」こそが正義の体系だと確信します。そして当時の中国や朝鮮の実態を知らずに、両国は儒学思想をもって国家運営されていると信じ込み、純粋に中国や朝鮮に憧れます。

当時は豊臣秀吉が、儒教で言う「徳」によらずして「武力」によって日本を統治し、さらに朝鮮へ武力進出(文禄・慶長の役)を試みます。

惺窩の憤りと絶望感は頂点に達し、日本に生まれた事を悔やみ、彼の地(中国や朝鮮)へ移住しようとして二度に亘って渡海を試みましたが、あえなく失敗に終わります。

その後も日本の悪口を言いまくり、せめて朝鮮が日本を侵略し消滅させて、朝鮮のような理想国の支配下に置いてほしいと、慶長の役で捕虜となった朝鮮人に頼む始末でした。

一方で、現代にも「反日・日本人」は存在します。日本人でありながら、なぜ「反日」思想に向かっていくのか随分悩みました。中国や朝鮮半島に憧れて移住した人もいますが、惺窩と違うのは必ずしも移住したいと希望している訳ではない所です。

現代の「反日・日本人」は、脆弱化していく日本の状況を見て、将来日本が彼の国に侵略されたり支配下に置かれたとしても、確実に我が身だけは守ってもらえるように「優遇」してもらいたいと懇願しています。

だから、日本国内で彼の国の意向に沿った行動をします。自分の「反日」活動を積極的に彼の国に報告(自己PR)している事実も確認できました。

そのメンバーは経済人や学者やメディア関係者、残念なことに政治家にも存在します。文字通り「売国」日本人が、影響力の大きい有識者の中にいるということ。

祖国日本の存亡の危機には全くの無関心な、現代日本の「藤原惺窩」達を私は見逃すことは出来ません。

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