今年の日米関係

「国家安全保障戦略」など新たな戦略の策定という重要な決定を行ってから1年が経過しました。その間、日米両国は一丸となって同盟の抑止力・対処力の強化に取り組めたと評価します。

オースティン国防長官との会談を継続的に実施しながら、例えば、以下のように多くの目に見える成果を築き上げました。

・トマホークの早期取得

・拡大抑止に関する協議の強化

・BIAC(日米共同情報分析組織)を通じたISR能力の強化

・GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)共同開発の開始

・北朝鮮ミサイル情報の日米韓リアルタイム共有の運用開始

一方で、先月の米空軍オスプレイの痛ましい事故もありました。改めて、搭乗員やご家族に心からお悔やみを申し上げます。

政府として、飛行の安全が確認されてから、運用を再開することを要請しているところであり、引き続き、航空機運用における安全確保に日米で全力を尽くします。

かつてなく強固な日米同盟を更に高みに引き上げるべく、来年も同盟強化のための具体的な取組を進めていくことを、防衛省大臣室においてエマニュエル大使をはじめ、グリーン主席公使やナイリン政務担当公使と確認しました。

令和6年度予算案が閣議決定

「省議」及び「防衛力抜本的強化実現推進本部会議(座長:防衛大臣)」を開催し、本日の閣議で決定した令和6年度の防衛省予算案を共有しました。

過去最大となる約7.9兆円の予算案については、来年1月に開会する通常国会に向けて丁寧に説明していくことや、予算成立後には的確に、そして速やかに執行することを指示したところです。

これからも全省が一丸となって、防衛力の抜本的強化に必要な取組を前に進めていきます。

オンライン防衛相会談

米国の国防省(オースティン国防長官)が主催するオンライン防衛相会議に参加しました。

議題は「紅海の海洋安全保障について」です。紅海をはじめとするアラビア半島周辺海域の情勢及び各国の取組について、20カ国以上の間で情報が共有されたところです。

私からは、中東地域のシーレーンの安定的な利用を確保し、国際社会の平和と安定のため、関係各国と引き続き緊密に協力していく旨を述べました。

防衛省・自衛隊は、これからも海洋安全保障及び国際社会の平和と安定のため、米国及び同志国と連携して対応していきます。

呉地区を視察

①まず、海上自衛隊呉地方隊の司令部がある呉地方総監部を視察しました。呉地方隊は、帝国海軍呉鎮守府の良き伝統を受け継ぎつつ昭和29年に創設されました。警備区域は、和歌山県から宮崎県に至る区域の太平洋及び瀬戸内海を含む沿岸海域であり、海上交通の動脈である東の紀伊水道、西の豊後水道及び四国沖となります。ちなみに、四国沖約1,800kmにある「沖ノ鳥島」も警備区になります。

②次に、海上自衛隊の潜水艦等の要員養成及び潜水艦に対する訓練支援等を行う潜水艦教育訓練隊(潜水艦隊直轄部隊)を視察しました。海上自衛隊潜水艦乗りの特色は、個人の高い術科能力とともに各個人の優れた人格を結集したチームワークによる総合力の発揮にあります。

③最後に、そうりゅう型潜水艦の1番艦である潜水艦「そうりゅう」に搭乗視察。厳しい勤務に従事する潜水艦乗組員の実態を把握しました。

GIGO設立条約に署名

英国のシャップス大臣とイタリアのクロセット大臣との間で、「日英伊防衛大臣会合」を実施するとともに、「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)政府間機関の設立に関する条約」に署名しました。同条約は、GCAPの管理等を行うための国際機関として、GIGO(ジャイゴ)を設立するものです。

戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する我が国にとって、抑止力を維持・強化していくこと、そして、抑止力の根幹をなす航空優勢を確保し続けていくことは、必ず成し遂げなければならない重大なる挑戦です。GCAPが作り出す次期戦闘機は、我が国周辺における航空優勢の確保、そして効果的な抑止力の維持を可能とするための、無くてはならない能力です。

今や、どの国も一国では自国の安全を守ることはできません。この厳然たる事実は、運用面だけでなく、研究開発を含む装備面にも該当します。最先端の高性能な戦闘機に必要な技術やコストを自国だけで賄うことには大きなリスクがあります。こうした点でGCAPは、日英伊という同志国が、優れた技術を持ち寄り、コストとリスクを分担し合うことを可能とする歴史的なプログラムです。

GIGO設立条約への署名は、この歴史的なプログラムを成功に導く大きな一歩です。GIGOについては、その本部は英国に置く一方、初代トップは日本人とすること、またGIGOとともにGCAPに従事する共同事業体制のトップはイタリア人とすることも決定しました。

GCAPの行く末を左右する初代トップを日本から選出する責任には身が引き締まる思いですが、英伊の期待を裏切ることのないベストな人材を私の責任で選出していく考えです。