木を見て森を見ず

 

 車で移動中のテレビで衆議院予算委員会を見ています(国会中に選挙区をまわっている状況に少し違和感を覚えながら)。外交・安全保障に関して、政府は繰り返し「対等な日米関係を構築する」と言っています。では現在なにが「対等」ではないかというと【日米地位協定】とのこと。その通りです。これは対等な条約ではありません。

 しかし【地位協定】は『枝』の条約であり、これを論ずるならば『幹』である【日米安保条約】を検証しなければなりません。言うまでもなく【安保条約】の内容は、「米国は日本を守る義務があるが日本は米国を守る義務は無い。そのかわり、米国軍隊は日本国内で施設や区域を使用できる」というものです。『幹』が非対等な条約であるのに、『枝』が対等な条約になるはずもありません。

 では何故【安保条約】が非対等かというと、憲法九条の制約と集団的自衛権の政府見解(保持すれども行使できない)が原因です。①憲法九条を改正し②集団的自衛権の政府見解を変更することで、③【安保条約】を対等なものにすれば、必然的に④【地位協定】は「対等」なものになります。

  私も日本と米国は対等な関係になるべきだと思います。だから、憲法改正に向けて行動してきました。現行憲法下では止むを得ず非対等な条約を暫定的に受け入れざるを得ないのが政治判断です。「枝を見て幹を見ない」「木を見て森を見ない」そんな議論は不毛だということを申し上げます。

 

【写真】己の力のなさに平身低頭するのみ。

 

外国人参政権への見解

国会では、議員立法によって永住外国人に地方選挙権を与える法案の今国会提出を模索する動きがありましたが見送られたようです。ホッとするのも束の間、来年の通常国会では政府案として提出される可能性があります。

私は「外国人参政権には反対である」という立場を明確にしておきます。理由は明快です。簡単に書くと以下の通り。

    主権の侵害にあたるから。国の構成要素は【国民】【領土】【主権】です。「国を守る」とはこの三要素を守るということ。主権とは国の最高意思決定権が国民にある状態。つまり、国民(=日本人)に参政権が付与されないと主権を侵害されてしまい、国が守れないということにつながる。「地方参政権だけはいいのでは?」という意見があります。法案提出の根拠もそうです。しかし、米軍基地の移転等は、地方の問題だけではなく国防にかかわる問題であるように、地方行政と国政は密接に絡み合っています。地方参政権とはいえ内政干渉にあたる可能性が高く当然認められません。

    憲法違反であるから。「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である(十五条一項)」にあるとおり、外国人は「国民」ではない。最高裁判決本論でも地方参政権を否定していますが、傍論(単なる一部の意見)において許容するような言及が一度あった。これが法案提出の根拠に利用されているのは残念です。

    国民の大多数が反対しているから。マスコミによる過去の世論調査を見ても、八割以上が外国人参政権に反対。熊本県議会では今年十月に反対の決議を行いました。地方参政権が狙われている以上、この動きは全国の都道府県議会や市町村議会に広がっていくでしょう。先の選挙では、どの政党も外国人参政権のことはマニフェストに書いていない。したがって、選挙結果による数の横暴は許されません。

【写真】従業員が家族で楽しむ「社内運動会」は、最近では少なくなりました。

  

ガンバレ日本航空

 JALがどうしてこうなってしまったかを勝手に検証します。

1.    経営体質

    社内運営を重視する膠着した官僚的組織(特に人事)

    多数ある労働組合と過度な要求

    合議による意思決定と結果に対する責任の欠如

    業容多角化の失敗

    投資・為替・燃料に対する稚拙な施策

 旧態依然とした現場主義と段取り部門でのビジネススキルの低下

2.    JASとの統合と基地空港の移転

    不採算路線の増加

    航空政策への追従(羽田→成田、伊丹→関空、小牧→中部)

    一体感の欠如と意思決定の遅滞

    過剰な設備投資

    頻繁な組織変更

3.    日本経済の構造変化

    グローバル化により選択の幅を広げた顧客態様の変化

    路線権を確保しても需要獲得につながらない

    為替・燃料・年金引当などへの対応遅れ

 

そこで、再生のためのシナリオを示します。

 

1.    JAL内部の問題解決

    旧来の経営陣の中ででトップをすげ替えても同じ(思い切って50歳台前半の改革派を社長に、いますよね!)

    組合問題の解決(会社と自分の実力を考えて身の丈にあった節度ある要求を)

    責任の所在を明確化(人事異動で逃がさない)

    顧客とマーケット志向のマインドセット

    コスト体質の改善(コストモデルをアクティビティーベースに)

    従業員の時間生産性と業務スキルの向上(能力に応じた人事と給与体系、無駄なく効率の良い労働計画)

2.    航空行政の見直し

    新幹線や高速道路との競合から補完関係へ

    「ジャパンパッシング」を防止する国際化

    国策会社の縛りを緩和(政治が会社を振り回さないこと)

    国内航空網の整備には適度に貢献(空港整備特別会計を財源とする地元誘致へは是々非々に対応)

 

※国益のためにJAL再生を願っているので厳しい指摘をしました。

※個人的に今のロゴは好きではありません。鶴丸の復活を望みます!

 なつかしの鶴丸(旧ロゴマーク)

 

【写真】この日は地域の皆さんと公民館で政治談議。その後にラジオ番組へ出演。「日教組問題」についてリスナーからの質問に答えました。

  

チンパンジーに失礼だ

産経新聞に「WLL12月号の広告が出ていました。『チンパンジーにも劣る史上最低の防衛大臣』という潮匡人さんが書いたコラムの見出しが目に留まりました。確かに、現政権の防衛大臣は本当にひどい。官邸での記者会見を見て唖然としました。

    まず、多くの新閣僚が国旗に立礼をしないのを見て危ない予感はしていました。国旗を無視する新閣僚を見てもそう驚きはありません。そういう内閣だと感じていました。しかし、防衛大臣は別だろうと。何故なら自衛官には法律上、国旗に敬礼する義務があります。毎朝、各部隊で国旗を掲揚し、全員で敬礼します。隊員の職務を総括する防衛大臣が「故意に」欠礼(国旗を無視)している様子をマスコミは何故報道しないのでしょうか。自衛官がどう思ったでしょうか?

    次に、インド洋における給油活動を継続するかどうかを記者に聞かれた際に、「マニフェストに延長しないと書いてある」という理由で「継続しない」そうです。ところが、調べてみるとマニフェストには一言も書いてありません。その場で記者さんも誰もそのことを問いたださない。

    そして、集団的自衛権の解釈の見直しについては、「そのことについて精力を費やすことはそんなに生産的ではない」とのこと・・・。根本的な国家基本問題について、防衛大臣がこの程度の理解でよいのか・・・。

自分は守るが他人は守らない国家。国益に資するが危険なシーレーンの防衛はすべて他国に委ねる国家。日本がそんな国家であってはならない。チンパンジーでさえ、自分の利得にならないことでも、他のチンパンジーの求めに応じて手助けする習性があるそうです。

普天間基地移転問題、インド洋での補給活動、アフガニスタン支援、日米地位協定など課題は多いのですが、これらはすべて表面的な事象の話です。根本的には、憲法九条を論じつつ集団的自衛権の解釈を変更してからでないと前に進みません。両院での憲法調査会設置のことが出てこないのはどうして?

【写真】第一回「武道格闘技交流大会 全九州オープントーナメント」が熊本で開催されました。大会会長を務めました。

  

自助・共助・公助

自助・共助・公助という言葉があります。【自助】は、「自らのことは自らで守る」ということ。自分や家族や財産は自分の手で守っていく。当然の考え方です。【共助】は、「地域や会社で互いに守りあう」ということ。近い存在同士でお互いに助け合うことは、自分自身を守ることにもなります。【公助】は、市・県・国などの「行政機関が国民を守る」ということ。自助や共助で不足する分を補うことが日本型の公助でした。例えば、家庭の消火器は自助、地域の消防団は共助、市の消防局は公助です。

日本社会の基本は自助です。加えて日本では古くから共助によって、地域や経済を支えてきました。「民間でできる事は民間でやる」ことで効率性を求め競争原理が働き活力ある会社が育ってきました。公助はあくまでも社会的弱者の救済や災害への対処などのセーフティーネットが中心でした。国の安全保障などは公助でやるしか仕方ありませんが、公助が小さいほど税金が安い国になります。

最近のいわゆる「子ども手当」や「金融モラトリアム」や「JALへの公的資金投入」は公助に該当します。緊急時には公助が必要なことはいうまでもありません。しかし、何でもかんでも公助でまかなうには多額のお金が必要です。。「すべて国が面倒を見ます」という一方で、「消費税は上げません」というのは詐欺でしょう。スウェーデンは消費税率を25%に引き上げ、そのかわり「ゆりかごから墓場まで」行政が国民の福祉をみています。北朝鮮はすべてを公助によって支配する手法を採用しています。

日本人は日本人らしい「共助の精神」を決して忘れてはならないと思います。日本の文化である「共助の精神」。教育レベルや民度が高い国民性だからできることです。税金が安く、民間企業が活性化していく活力ある社会。少子高齢化の時代にあって、これからは日本に合った共助を促進するための政策を実現していく方向が正しいと私は思うのですがどうでしょうか。これはいわゆる「小さな政府」論にもつながってきます。

 【写真】左は「大金豚」の『つけ麺』。冷盛が好きです。右は「太一商店」の『ラーメン』。大盛りではありません。野菜増し(無料)だとこうなります。いずれも流行のニューウェーブ系スープに極太麺を使っています。