山口政治塾

自民党山口県連では、政治を学ぶ場として第12期「山口政治塾」を開講しました。その第1回講座の講師としてお招きいただきましたので、山口市に行ってきました。

演題は「防衛力の抜本的強化と南西諸島をめぐる課題」です。戦争を回避するための抑止力・対処力や反撃能力について解説しました。受講生からの質疑にも答えました。

全国の各都道府県連にある「政治塾」には、志高く政治家を目指す人材を、また、共に自民党を立て直す有為な人材を幅広く発掘していく取り組みを期待してます。

六氏先生

台湾・台北市を訪問し、「六氏先生」の墓参りをしました。

台湾が日本に統治されていた時代、台北に日本式小学校「芝山巌学堂」(しざんがんがくどう)が設立されました。

台湾児童への基礎教育は台北で感謝されてましたが、日本の統治に反対する勢力が勢いのあまり、日本人教師6人を殺害してしまいました。

日本人教師達が「死して余栄あり、実に死に甲斐あり」と命懸けで教育に努めたことから、亡くなった教師は「六氏先生」と呼ばれ、現在でも学堂跡地で丁重に葬られています。

教師のはひとり平井数馬先生は熊本県宇城市出身(済々黌卒)、17歳でこの世を去りましたが、後の台湾教育の基礎となる学習指導要領を残しています。

終戦80年

昨年は、防衛大臣として「終戦の日」を迎え、靖國神社へ歴代初めての昇殿参拝でしたが、今年は、例年通り穏やかに淡々とお参りさせていただきました。終戦から80年、節目の年だからでしょうか、例年よりも一般参拝者が多かったように感じました。

次に日本武道館に移動して、「全国戦没者追悼式」に参列。天皇陛下の「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぐ」とのお言葉が印象的でした。

その後、靖國神社に戻り、参道に特設ステージを開設した特別企画「大東亜戦争終戦80年 追悼と感謝の集い」に参加。私が幹事長を務める議員連盟「平和を願い戦没者を慰霊顕彰する国会議員の会」として後援したイベントでした。「硫黄島の戦い」で戦死した司令官・栗林忠道中将の孫として新藤義孝代議士が登壇し、祖父の辞世の句を披露された時は涙が止まりませんでした。

「国のため 重きつとめを 果たし得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき」

日航機事故から40年

40年前の1985年は高校1年生で、私の誕生日に起こった日航機123便の墜落事故は強烈な印象が残っています。翌日、副操縦士の佐々木祐(ささき・ゆたか)さんは熊本市出身で、当時通っていた同じ高校の卒業生であることを知りました。

縁があって1993年に日本航空株式会社に入社。2000年にボイスレコーダーの一部が公開され、最後まで必死に立て直しに努めていた操縦室の様子が伝えられるまで、パイロット(操縦判断)に対する誹謗中傷が時々聞こえていました。

御巣鷹山での慰霊式や慰霊登山の際に罵声を浴びたこともありましたが、会社としてもご遺族に寄り添い、誠心誠意を尽くし、時の経過とともに、徐々に落ち着きを取り戻していました。事故の教訓は決して忘れることはありません。

ところが近年、SNSの普及にともない悪質なフェイクやデマが再燃し、その手の書籍がベストセラーになる始末。2023年に防衛大臣に就任しましたが、一部のSNSには「機体は自衛隊に誤射された」「証拠を隠滅するために火炎放射器で生存者を焼き殺した」「JAL出身の大臣は陰謀説を明らかにせよ」そのような書き込みが散見されました。

今年の通常国会では佐藤正久参議院議員(当時)が国会でこの問題を取り上げました。佐藤議員によると、事故現場付近の登山道には「自衛隊が意図的に殺害した乗客・犠牲者」と記された「慰霊碑」があるとのこと。中谷防衛大臣は当然ながら「自衛隊の関与はない」と関係性を全面否定しましたが、事故40年の節目にあたり、炎上が収まる気配はありません。

事故原因は事故調査委員会により解明されました。ボーイング社も事故に繋がった過去の修理ミスを認めています。前防衛大臣として、フィクションや妄言によって自衛隊の存在を貶める誹謗中傷は看過できません。

先の参院選でも問題となりましたが、国民(特にSNSを多用する若い世代)のメディアリテラシーを高めていくことが求められます。

シベリア抑留関係者慰霊祭

 80年前の1945年8月9日、ソビエト連邦は「日ソ中立条約」を破棄し、日本への侵攻を開始しました。8月14日、日本はポツダム宣言を受諾し降伏。しかし、ソ連はどさくさに紛れてわが国の北方領土を不法に占拠し現在に至ります。

また、ソ連は極寒の地シベリアに日本兵を抑留し過酷な労働を強いました。多くの同胞が飢えと病気に苦しみ無念のうちに祖国の土を踏むことなく亡くなられました。

尊い命を落とされた皆様の御霊が安らかならんことをお祈り申し上げます。

私たちは、あの苦難の歴史を決して忘れてはなりません。現在、ロシアは国際法を踏みにじり、ウクライナに武力侵攻を続けています。力による国境の変更が現実に行われている今だからこそ、シベリア抑留の教訓等を単なる過去の出来事としてではなく、現在の警鐘として受け止めなければなりません。

国際社会の緊張が高まる現在、わが国の平和と独立、そして国民の生命と暮らしを戦争の惨禍をから守るため、外交と防衛の両輪で断固たる決意をもって責任を果たしていく所存です。