帰路

 アンカラを発ち、イスタンブールを経由して英国ロンドンへ。スタンテッド空港からヒースロー空港への乗り継ぎ時間を利用して、ロンドン市内にある日本航空ロンドン支店と欧州・中東地区支配人室を訪問しました。会社員時代の同僚とゆっくり旧交を温める間もなく、すぐさま帰国。

       ロンドンJALの皆さんと

トルコ政府へ要望

 イスタンブールから約600キロ離れた首都アンカラへ空路で移動。イスタンブールは経済の街、アンカラは行政の街。ニューヨークとワシントンのような関係でしょうか。ビナーリ・ユルドゥルム運輸大臣と約1時間会談。昨日の労働ビザの案件を陳情したところ、「私に任せてください」という心強い返事をいただきました。その後、キャルシャッド・テュズメン国務大臣(海外貿易担当)と約1時間会談。日本人赴任者が増えて日本人学校が狭いし高校もできない。広い移転場所の提供を要望しました。日本人赴任者にとって子どもの教育環境は最重要で、日本人学校を充実させることが、民間企業による貿易の促進に直結すると訴えました。その他にも、時間の許す限り、ODA(政府開発援助)事業の視察やトルコ国会議員との意見交換などを精力的に行いました。

         

歴史的大事業

 アジア大陸とヨーロッパ大陸はボスポラス海峡によって分断されています。しかし、現在は2本の橋によって結ばれました。そのうち1本は日本企業が建設したことは昨日触れました。さらに現在、「ボスポラス海峡横断鉄道建設工事」が行われており、海底トンネルによって二つの大陸が結ばれようとしています。この国家プロジェクトを受注しているのも日本企業(大成建設)です。

 建設現場を視察し要望を伺いました。この大工事には最低でも25名の技術者が必要にもかかわらず、10名分の労働ビザしか発給されていないので大変困っているとのこと。原因を大使館に確認したところ、トルコの技術者労働組合が自分達の仕事を守るために、外国人技術者を入国させないように圧力をかけているとのことでした。明日のアンカラでのトルコ政府との会談で、この問題を取り上げることを約束しました。

          

欧州とアジアの架け橋

 イスタンブールは東西交通路の要衝の地です。「ヨーロッパ側」と「アジア側」をつないでいる二つの大橋があります。写真左の『第2ボスポラス大橋』は日本政府の援助(円借款616億円)により、日本企業(IHI、三菱重工、日本鋼管)が参加して建設しました。現在、特別円借款により耐震補強工事を行っているのも日本企業です(IHI:石川島播磨重工業)。地震国日本の経験と耐震補強技術を提供している工事現場を視察しました。私の右は、同じ視察団メンバーでイスラム国に詳しい佐藤正久参議院議員。

      

トルコ共和国へ

 「自民党外交政策ビジョン研究会」の一員として、トルコ共和国の視察に出発。成田空港からパリを経由してイスタンブールへようやく到着しました。知っているようで知らない親日の国トルコ。エルトゥールル号遭難事件(「みのる日記」4月15日参照)から120年の節目の年である2010年に行われる『トルコにおける日本年』に向けて、日本側からの準備を進めていきます。今日から数日間はトルコからのレポートです!

      

 写真左:イスタンブールを縦断するボスポラス海峡。イスタンブールはヨーロッパ大陸とアジア大陸にまたがっています。橋を挟んで左が「ヨーロッパ側」、右が「アジア側」と言われている通り、双方の歴史と文化が混在した街です。

 写真右:チャイは温かい紅茶のような庶民的な飲み物。地元の人は一日に10杯以上飲むそうです。会議でもレストランでもチャイが出てきました。