英才教育

 

「エリート」とはフランス語で「神に選ばれた者」。フランスでは、ある分野に秀でた人・才能に恵まれた人が、社会のため他人のために貢献することは当然とされ、今でもエリート養成システムが存在します。アメリカでも柔軟な進級制度があり、「天才」を別の学校に集めて学ばせることを公教育で行っています。

 

一方、日本では、かつて軍の士官学校のような人材を発掘してリーダーを育てる制度がありました。戦前の尋常小学校や旧制中学でも「飛び級」が制度として行われていました。しかし、戦後はリーダーを育てるためのエリート教育はタブーになりました。

 

小学校の先生は、生徒が中学生になる為の学力を身に付けることを目標とし、中学校の先生は、良い高校に進学することを目標とし、高校の先生は、大学受験に合格することを目標にしています。つまり、教員の仕事は与えられた過程を修了させて次の先生に引き継ぐことだけ。生徒が社会に出て大きく羽ばたくことを願うことしかできないシステムです。

 

脳科学者によると、自ら求め自ら考える時、人間の脳は、受身で嫌々行うときの10倍の力を発揮するということです。今後の子どもの教育を考えるときの大きなヒントになります。子どもの得意分野を発見し、その特定分野に強い興味・関心を持たせ、将来の夢につなげていく。いつまでも横並びの教育ではなく、タブーを打ち破り、教員が一部の才能ある生徒を発掘しエリートとして育てていくシステムを日本の公教育にも取り入れていきたいと考えています。

 

日本の政界も人材不足と言われます。大変情けない話ですが、本当だとすれば最も深刻な問題ですね。

次々にやられる

記事参照(共同通信)金融庁が、貸金業者の融資に対する規制を強化する改正貸金業法について、来年6月までの完全施行に向け規制の在り方を検討することが3日、分かった。大塚金融担当副大臣が明らかにした。大塚副大臣は、貸金業者の経営や、借り手の利便性に影響する規制強化について議論の必要性を強調した。近く消費者庁や法務省などと現状把握や論点整理の協議に入り、年内にも結論を出す方針。』

早速はじめましたね・・・。平成18年に改正貸金業法によって、上限金利を引き下げグレーゾーンを廃止するとともに、悪徳金融業者排除のために規制強化を行いました。悪徳金融業者の中には在日外国人系の会社もあって、北朝鮮へ送金するための資金源となっている実態もありました。改正当時は悪徳業者から献金をもらっている議員や政党からかなりの抵抗がありました(当時のブログを見てください)。反社会的団体からの圧力もあると聞きます。政権が代わったら一番に標的にされるだろうとは思っていましたが・・・こういう時が悔しいです。

【写真】左:西部方面隊記念行事のあと総監の部屋で。右:「チャンネル桜」水島社長の講演を拝聴しました。

  

心配な外交

 昨日に続いて、日米安保のこと。米国の財政事情はイラクやアフガニスタンの派兵がひびいて相当厳しいようです。在外米軍の展開の見直しは不可避でしょう。日本は、この流れを利用して日本の負担(特に沖縄の負担)を軽減する作戦でした。在沖縄海兵隊はグアムに移転することを既に合意し、普天間基地も安全性の高い辺野古沖への移転が合意していました。いまこの作戦が音を立てて崩れようとしています。通常、外交において互いに積み上げてきた計画を、一方的な都合で変更するときは相応の理由が必要ですが、日本は説明できていません。先進国同志の外交では、政権が変わったことは理由にならないことは常識です。加えて、インド洋での給油活動も打ち切る様子。代案があれば別ですが示せていません。米国は日本政府にかなりの不信感を持っています。オバマ大統領の来日予定がありますが、このままではキャンセルになるでしょう。

 政権交代は国民によってなされたもの。内政が大幅変更になって、結果がどうなっても、それは特定の政党を選択した国民の責任です。しかし、外交・安保は諸外国との関係であり、諸外国にとって交渉相手は同じ「日本政府」。自民党でも民主党でもありません。ある程度は継続してやらないと国際社会で築いてきた信頼を失うことになります。世界中が日本外交の動きを見ています。日本はこれから最も政権交代しやすい国になります。今後のあらゆる外交において、米国だけでなく世界各国から「日本は不義理な国だ」というレッテルを貼られてしまいかねません。そのことが心配です。

【写真】熊本学園大学の学園祭「託麻祭」を見学。天皇陛下即位二十年記念行事プレイベント「伝統芸能の集い」開会式でご挨拶。

  

木を見て森を見ず

 

 車で移動中のテレビで衆議院予算委員会を見ています(国会中に選挙区をまわっている状況に少し違和感を覚えながら)。外交・安全保障に関して、政府は繰り返し「対等な日米関係を構築する」と言っています。では現在なにが「対等」ではないかというと【日米地位協定】とのこと。その通りです。これは対等な条約ではありません。

 しかし【地位協定】は『枝』の条約であり、これを論ずるならば『幹』である【日米安保条約】を検証しなければなりません。言うまでもなく【安保条約】の内容は、「米国は日本を守る義務があるが日本は米国を守る義務は無い。そのかわり、米国軍隊は日本国内で施設や区域を使用できる」というものです。『幹』が非対等な条約であるのに、『枝』が対等な条約になるはずもありません。

 では何故【安保条約】が非対等かというと、憲法九条の制約と集団的自衛権の政府見解(保持すれども行使できない)が原因です。①憲法九条を改正し②集団的自衛権の政府見解を変更することで、③【安保条約】を対等なものにすれば、必然的に④【地位協定】は「対等」なものになります。

  私も日本と米国は対等な関係になるべきだと思います。だから、憲法改正に向けて行動してきました。現行憲法下では止むを得ず非対等な条約を暫定的に受け入れざるを得ないのが政治判断です。「枝を見て幹を見ない」「木を見て森を見ない」そんな議論は不毛だということを申し上げます。

 

【写真】己の力のなさに平身低頭するのみ。

 

外国人参政権への見解

国会では、議員立法によって永住外国人に地方選挙権を与える法案の今国会提出を模索する動きがありましたが見送られたようです。ホッとするのも束の間、来年の通常国会では政府案として提出される可能性があります。

私は「外国人参政権には反対である」という立場を明確にしておきます。理由は明快です。簡単に書くと以下の通り。

    主権の侵害にあたるから。国の構成要素は【国民】【領土】【主権】です。「国を守る」とはこの三要素を守るということ。主権とは国の最高意思決定権が国民にある状態。つまり、国民(=日本人)に参政権が付与されないと主権を侵害されてしまい、国が守れないということにつながる。「地方参政権だけはいいのでは?」という意見があります。法案提出の根拠もそうです。しかし、米軍基地の移転等は、地方の問題だけではなく国防にかかわる問題であるように、地方行政と国政は密接に絡み合っています。地方参政権とはいえ内政干渉にあたる可能性が高く当然認められません。

    憲法違反であるから。「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である(十五条一項)」にあるとおり、外国人は「国民」ではない。最高裁判決本論でも地方参政権を否定していますが、傍論(単なる一部の意見)において許容するような言及が一度あった。これが法案提出の根拠に利用されているのは残念です。

    国民の大多数が反対しているから。マスコミによる過去の世論調査を見ても、八割以上が外国人参政権に反対。熊本県議会では今年十月に反対の決議を行いました。地方参政権が狙われている以上、この動きは全国の都道府県議会や市町村議会に広がっていくでしょう。先の選挙では、どの政党も外国人参政権のことはマニフェストに書いていない。したがって、選挙結果による数の横暴は許されません。

【写真】従業員が家族で楽しむ「社内運動会」は、最近では少なくなりました。